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結膜炎―目のトラブルは肝が肝心

2010年03月29日

本日のテーマは結膜炎。特に、ウィルス性の結膜炎を取り上げる。ご存知の通り、現代医学ではいまだにウィルスを退治する薬を開発出来ていない。よってウィルスの感染病に対しては、感染経路を断つ、または感染源を避ける、などの方法を取るしかない。つまり、手洗いの推奨や感染者との接触を避けることである。 

では、漢方ではどう見るか。実は、「目は肝の状態を表す」をいう言葉がある。つまり、目のトラブルは肝のトラブルを反映しているのだから、肝をケアすればよいのだ。例えば、結膜炎のような炎症ならば「肝火」、つまり「肝ののぼせ」を除く。そこで林先生が薦めているのは、クコの実、菊の花、ウツボグサの煎じ汁だ。そして、「中衝穴」からの瀉血。中衝穴は、手の厥陰心包経に属するが、これは足の厥陰「肝」経とも深く関わりがあるのだ。
 
もう一点、予防に対する考え方も西洋医学と漢方では異なる。西洋医学では、ウィルスに対しワクチン接種で防ごうとする。だが、漢方にはウィルスの概念はない。なぜ人は病気になるのか。それは病気を防ぐ「正気」が足りないためと見る。したがって、この正気を増やすこと、つまり体の抵抗力をアップすることが大切と考えるのだ。
 
抵抗力のアップには特に特効薬はない。ただ、自然の流れに合うような食事や睡眠、運動を心がけること。当たり前のことだが、せわしなく情報があふれている昨今は、逆に当たり前のことが忘れられてしまう。この『漢方の世界』で、当たり前のことに気付けるような心のゆとりを取り戻したい。

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