【新唐人2012年10月14日付ニュース】アメリカのハーバード大学は世界でも指折りの名門大学ですが、この頃、華人によって“第二の中央党校”のあだ名がつけられました。朝日新聞の10月10日の報道によると、中国共産党中央組織部は2001年より、ハーバードなどの西側大学で中国共産党指導者を育成するプロジェクトをスタートさせたそうです。では、なぜハーバード大学で、共産党の指導者を育成するのでしょうか。報道をご覧ください。
報道によると、この中国指導者養成プロジェクトの目的の一つは、西側資本主義国家の政府管理経験を学び、経済改革と開放政策を導く方法の一つに取り入れるためで、中央または地方の党委員会から毎年40人から50人の高官が派遣されるそうです。
アメリカのオンラインマガジン“スレート”は今年5月、ハーバード大学は中国共産党組織部の幹部養成基地になると報道。それによると、およそ10年前、中国共産党は公職者が日々変化する独裁政権の様々な状況に対応できるよう、彼らに技能と専門知識のトレーニングを提供し始めました。厳しい選考を経て選ばれた官僚たちが海外のトップレベルの大学に送られ、特別に設置されたプロジェクトで学ぶのです。
中国中南大学の王成立(おう せいりつ)教授は、これは中国共産党の一種のパフォーマンスであり、アメリカとの親密な関係を顕示しようとしていると指摘します。
中国中南大学都市軌道交通研究所 王成立教授
「中国の体制は米国と全く異なります。米国で中共幹部を養成するのは不可能です。中国の体制がどんなもので、米国の体制はどんなものですか?中共の幹部をなぜ米国で養成するのですか?笑い話ではないですか?これはパフォーマンスです」
“スレート”によると、中国共産党当局はこのプロジェクトをスタンフォード大学、オクスフォード大学、ケンブリッジ大学、東京大学などにまで拡張し、すでに4000人を超える官僚を西側諸国に派遣し、政府管理を学ばせています。
選ばれた官僚は地方の市政府の官僚、市長、省長から中央政府の副部長に至るまで、様々です。ハーバード大学で研修を受けた官僚の半分以上は、帰国後まもなく昇進。最も高い職位についたのが、李源潮(り げんちょう)氏。政治局の中で最初にハーバードで研修を受けた委員で、今は中国共産党中央組織部の部長の座に就いています。
雑誌“炎黄春秋”の楊副社長は、西側大学で学ぶことによって、共産党幹部は具体的な管理経験や措置を学ぶ事ができるものの、短期内では制度に対して影響を与えることはないと述べます。
新唐人記者
「長期的に見て、平和的に転換する可能性はありますでしょうか」
雑誌「炎黄春秋」 楊継縄副社長
「あったらもちろんいいことですが、今の所その気配は見かけません。大勢の人が西側の管理経験や正しい管理方法を学ぶことは中国政治の進歩に取ってはいいことです」
“スレート”の報道によると、一部の人は、ハーバード大学は大規模な人権侵害を行っている独裁政権のために刃を研いでおり、その更なるプロ化を手助けしていると非難しています。一方、改革と政治の開放を促す方法は様々で、もしケンブリッジ大学の授業で中国官僚の目を開いてあげる事ができるなら、大いに歓迎し、受け入れるべきだとの意見もあります。
情報によると、中国共産党中央政治局の9人の常務委員中、5人の子弟が現在アメリカに留学しています。次期最高指導者の習近平副主席の娘をはじめ、元共産党最高指導者の趙紫陽、江沢民の孫もハーバードに在籍。また、賈慶林(か けいりん)の孫娘はスタンフォード大学に在籍しているそうです。
新唐人テレビがお伝えしました。
(翻訳/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工)