【冒頭の詩】
盤古により天地が開けた
土に潜む豊かな自然で
この世の命すべてをはぐくむ
五穀豊穣で衣食が足りる
お皿の栗も土からできた
農夫の苦労に感謝しよう
【あらすじ】
コンクリートジャングルに囲まれた現代社会。そんな環境で育った子供は、「土」と何を想像するだろうか?もしかしたら、「汚い」「ばい菌だらけ」など良くないイメージしかないかもしれない。
だが、「土」は人が生きていく限り絶対になくてはならない。食べ物はもちろん、移動のためのガソリンや、洋服に使う綿や麻も土から出来ている。もちろん家だって。いや、それどころか「土」は人の誕生と切り離せない関係にある。
伝説によれば、ある時、天の神は全く新しい命を創り出すことにした。天の神の友人に頼むと、彼らは粘土で自分とそっくりの人形を創り上げた。これこそが完璧な姿だと思ったから。天の神はこれらを痛く気に入ったので、この世へと送り出した。そのとき、この泥人形に命を吹き込み、また大地と知恵もさずけた。「幸せに生きてほしい」という願いをこめて。
そう、地味で大人しく、時に「汚い」と嫌われることさえある土は、私たちを生んだ母体のようなもの。だから、まるで母親のように慈愛に満ちて、私たちに接してくれる。つまり、私たちに必要な物をすべてその懐に包み込んでいるのだ。番組は、そんな忘れ去られた感謝の心を呼び覚ますかもしれない。
【漢字について】
1、甲骨(こうこつ)文字:
四千年近い歴史を持つ漢字の中で、最古のものとして残っているのが甲骨文字。殷の時代、国にとって重要なことがあると、亀の甲羅や牛の骨を焼いて占った。そのひび割れで出た占いの結果は、刻して記録された。この際使われたのが、甲骨文字だ。
2、金文(きんぶん)文字:
甲骨文字の後、つまり殷・周から秦・漢の時代まで使われた文字。青銅器に刻されたり、鋳込まれたりした。ここでの金は、青銅器を指す。当時は、官職に任命されたり、戦功を上げたりすると、それを青銅器に記録したという。
3、小篆(しょうてん)文字:
金文の後に誕生したのが篆書(てんしょ)。これは小篆と大篆に分かれる。秦の始皇帝は、まちまちだった文字を統一し、標準書体を定めた。これが小篆である。
4、楷書(かいしょ):
南北朝から隋唐の時代にかけて標準となった書体。漢の時代まで使われた隷書から発展したもの。