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指導者の人物特集は安定維持の新手段?

2013年01月01日

 【新唐人2013年1月2日付ニュース】先日、中国の官製メディアは数日間連続で、共産党新指導部の人物特集を組みました。また、その後の報道では“指導者が率先して、中国政治の透明度を高めている”と称えました。

 
中国共産党の代弁者“新華社”は12月23日と24日連続で、新指導部の習近平、李克強、張徳江、声の人物特集とともに、プライベート写真や活動写真を掲載。また、引き続き“中国共産党新指導部”の人物特集および写真を公表すると報道しました。
 
その後、人民日報傘下の“環球時報”も文章を発表し、“中国の問題は多すぎて解決しようもなかったが、第18回党大会以降の状況は、仕事ぶりから着手することで、突破口をもたらすだけでなく、問題解決の可能性をも作り出せるという希望を見せてくれている。指導者が率先して中国の新政治の輝きを突出させることは、中国政治の透明度の向上に対し重要な意義を持っている”と報道。
 
時事評論家の邢天行(けいてんこう)さんは、中国のあれだけの問題が、官僚の写真を公表したからといって透明になったり、あるいは解決されたりすることはないと指摘します。
 
時事評論家 邢天行さん
「誰が見ても明らかなのはこんな多年にわたり、これら指導層に対して財産の公表を呼びかけてきました。しかし長年経過してもずっと解決しませんでした。彼らの言ういわゆる写真の公表や透明度は写真を見ただけで透明になるわけではありません」
 
中国の民主活動家・恩広(おんこう)さんは、これは当局が宣伝に使う常套手段であり、長年にわたってずっと使われてきた方法であると述べます。
 
中国の民主活動家 恩広さん
「やはり非現実的です。彼らからすれば、一種の宣伝で民衆の思想の安定、つまり安定維持が目的です。彼らはこのようなアウトラインを出して、中国を変える意思があると皆に思わせたいのです。そして皆に希望を与え、皆は待つようになります。しかし結果は実現していないのです」
 
第18回党大会終了後、中国共産党は第18期政治局の初の集団学習会で、腐敗問題の悪化が進めば最終的には党の滅亡を招くのは必然的だと認めました。12月4日、習近平副主席は、“現行憲法公布施行30周年”大会で、“憲法と法律に違反する全ての行為に対して、必ず追及する”と強調しました。
 
しかし、ネット上で多くの共産党官僚の腐敗や淫行の事実が次々暴露されると、12月18日、人民日報は第一面に“ネットは法外の地ではない”と題する記事を掲載。新華網も “ネット上の反腐敗には制度による保証が必要”との文章を発表しました。
 
恩さんは、中国の現在の局面と矛盾を変えるには、先ずは政党禁止や報道規制を開放し、司法を独立させなければならないと示し、共産党はまだ形式上の宣伝にとどまっていると指摘します。
 
中国の民主活動家 恩広さん
「これがなければ、あれこれ改革し、見識があることを表明しようとしますが、見識を表明するだけで、実際の行動をもって問題を解決しないならば、見識があると言えるのでしょうか」
 
台湾の“中時電子報は“第一財経日報”の評論を引用し、中国当局のこうしたやり方にも目的があり、近年、官僚と民間、幹部と民衆、共産党と民衆の関係に距離感が出ているため、最高指導層はこのような紹介文やプライベート写真の公表などの方法で、民衆との距離を縮めようとしていると報道。
 
時事評論家 邢天行さん
「距離を縮めるためのこの方法から中共は行き詰って、末路にあることがわかります。民衆が本当に関心を持つことや望んでいることはできないので、このようなスターが自分の私生活の一部を公開するといった方法で、距離を縮めようとしているのです」
 
また、中国には大量の陳情者がおり、繰り返し拘束と釈放に遭っていても、実際の問題は何も解決されません。中国共産党があらゆる手段を使って表面を飾るのは、中国に存在する多くの問題から民衆の注意をそらすためだと指摘します。
 
 
新唐人テレビがお伝えしました。
(翻訳/松本 編集/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工)

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