【新唐人2013年1月3日付ニュース】2012年は中国共産党にとって喜ばしくない出来事でにぎわった一年でした。特に薄煕来の失脚という驚くべき事件は中国共産党を20年来最大の危機に陥れました。国内外のメディアは異なる視点から2012年の中国のニュースTop10を評価、選考しました。その中で、中国政府メディアの選んだ公式“Top Ten”は中国当局を称賛し続けるもので、民衆からは拒否されています。
政府系メディア“人民日報”が発表した2012年の十大ニュースは、海域管理の強化、腐敗一掃の強度増大、宇宙船“神舟9号”のドッキング成功、世界最大の医療保証ネットワーク設立、中国初の空母の就役、文化体制改革の全面推進、中国経済の包括的な改良、第18回共産党大会の開催成功、食糧生産量9年連続増加、中央政治局「8項目の規定」についての審議でした。
“人民網”が発表した十大ニュースは、多くの人の不満を引き起こしました。“人民日報”の元記者で、現在“中国洞察事物監督網”編集長を務める光遠(こう えん)さんは、ニュースの実際の影響力は、政府のニュース機構により決定されるべきではないと指摘します。
中国洞察事物監督網編集長 光遠さん
「全てのニュースの影響力が大きいか小さいかについて、最終的な発言権を持つのは民衆であるべきです。民衆の間で広く注目されているもの、皆が広く知っているもの、関心を持つものこそがニュースです」
光遠さんは、2012年の最重要ニュースとして、強制立退きやデモ抗議を挙げます。
中国洞察事物監督網編集長 光遠さん
「最も大きなニュースとは?民衆の住居を強制的に取り壊す、強制立退きです。これは1~2か所ではなく、全国の都市で普遍的見られる問題です。これこそ一大ニュースです。もうひとつは広州の若者たちが街頭でスローガンを掲げ、中央指導者の財産公開を要求したことで警察に逮捕され、故郷に送還・拘留されています。この二つは大ニュースです。この他にも多くのこのようなニュースが挙げられます。民生を反映してこそニュースなのです」
広州の画家・何国泉(か こくせん)さんは、政府系メディアの言うことは信じないので、ほとんど見ないと話します。最も重要なニュースとして、“薄煕来、王立軍、雷政富”の事件を挙げます。
広州の画家 何国泉さん
「重慶の雷政富や薄煕来の事件こそ本当の大ニュースです。王立軍が米領事館へ駆け込んだ事こそ本当の大ニュースです。周克華(連続殺人犯)を逮捕するために、数万人の警官が出動しました。これは大ニュースではないですか?政府の言うことはほとんどの人は信じていません」
“人民日報”が選んだ十大ニュースのひとつ、“世界最大の医療保証ネットワーク設立”。これに対し、光遠さんは、政府のいわゆる医療改革は民衆のためのものではなく、民衆の懐から金を取り出すための改革であると、批判します。
中国洞察事物監督網編集長 光遠さん
「例えば、北京の中日友好病院、私は高血圧ですが、1つの登記料で4種の薬を処方されていました。7月の医療保障制度改革の後は同じ薬のためには登記料を3~4回、払わなくてはならなくなりました。また朝陽病院ではもともと3~5元だった登記料が、今では45元に増えています」
アメリカ“グローバル・ポスト”の12月27日の報道では、中国共産党は2012年が幸運な年であったとは認めないが、チャイナ・ウォッチャーから見れば、見どころ満載の一年だったと伝えています。薄煕来の失脚から、経済の鈍化、そして盲人の人権活動家、陳光誠(ちん こうせい)さんの渡米。これらの出来事はすべて、この一年が、最近の中国の歴史上、最も重要な一年であったことを物語っています。
“グローバル・ポスト”が選んだ“2012年中国五大事件”は、薄煕来失脚、南シナ海の情勢緊張、陳光誠氏の逃亡、習近平の昇格と経済鈍化でした。
香港“星島(せいとう)日報”の選んだ中国2012年十大ニュースは、第18回共産党大会で選出された共産党の新指導者たち、薄煕来案件の浮き沈み、尖閣諸島問題のエスカレート、莫言(ばく げん)氏のノーベル文学賞受賞、王立軍事件による政界の激震、有毒カプセルに潜む闇、盲人弁護士・陳光誠氏の自宅軟禁からの脱出、神舟9号と宇宙ステーション天宮のドッキング、広東省烏坎(うかん)村の民主選挙への努力、中国・フィリピンの南シナ海(スカーバラ大群争奪)問題でした。
新唐人テレビがお伝えしました。
(翻訳/赤平 編集/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工)