【新唐人2009年10月9日付ニュース】年に一度行われるノーベル賞の結果が明かされた。米国籍の華人科学者のチャールズ・カオ氏とそのほか米国籍の二人がノーベル物理学賞を授与された。現在に至るまで、計10人の華人がこの賞に輝いたが、うち5人は民国時代の1920年代、30年代に生まれ、民国の教育を受けた世代である。1949年以降の大陸の教育を受けたのは高行健氏ひとりのみである。
2009年のノーベル物理学賞は、米国籍華人科学者のチャールズ・カオ氏、アメリカ人のウィラード・ボイル氏、ジョージ・スミス氏の3人に贈られた。現在まで、李政道氏、楊振寧(よう しんねい)氏、李遠哲氏、崔琦氏、ダライラマ氏、スティーブン・チュー(朱棣文)氏、高行健氏、錢永健氏、チャールズ・カオ氏など、計10人の華人がノーベル賞に輝いた。
うち、5人は民国時期の1920年代、或いは30年代に生まれた世代で、民国の教育を受けた。大陸の教育を受けたのは高行健氏一人で、彼が獲得したのは文学賞である。
民国時期の大学長梅貽琦(バイ・イキ)氏の有名な言葉がある。「大学とは、大きな建物を意味せず、大師がいることを意味している」。中国大陸の「教育産業化」は大学城を生み出したものの、大師は現れなかった。高官らは権力で高学歴を交換している。
2008年教育発展国際評価組織が世界21ヶ国でとった調査によると、中国大陸児童の計算能力は世界トップだが、創造力は下から5位。ネットユーザらは、原因は中国の教育体制が不完全で、受験目的の教育に問題があると指摘。
2009年、中国科学協会の「全国科学技術者についての調査」によると、55.5%の科学技術者が周囲の学術不正行為を少なくとも一件は知っていると明らかにした。
民国の教育理念は中共とは全く異なる。民国25年7月、教育部は未来の公民の養成を基本にした「幼稚園小学課程基準」修正案を公布した。しかし、1950年7月中共教育部が発行したものは初歩的な革命思想養成が目的であった。
民国時代、民間には教科書執筆の自主権が与えられ、教育部は審査するのみだった。教科書の執筆には胡適、舒新城(じょ しんじょう)、郭秉文(かく へいぶん)等の有名な教育家も参加した。今の中国大陸の教科書の作成は中共の厳密な統制を受ける。「中小学校の教材執筆審査管理法」によると、教材の審査はもちろんのこと、教材の執筆者も政治的立場が明確で、中共の路線を堅持する者でなければならない。