【新唐人2010年6月25日付ニュース】「精神病患者1億人」。中国は、こんな世界記録を打ち立てました。さらに、最近の当局の発表によると、550もの精神病院を増改築するそうです。精神病患者が事件事故を起こすのを防ぐためだといいますが、市民はこれに不安を募らせています。
政府系メディアは、当局の発表として、今年と来年で合わせて550もの精神病院を増改築する計画を報道しました。事件や事故を起こす精神病患者を減らすのが目的だと言います。
心の病に詳しい、鄧博士は、これに納得できません。ラジオ・フリー・アジアの取材に対し、「精神病院を増やすことと患者の事件事故を防ぐことは結びつかない」と述べました。
ラジオ・フリー・アジアより
国際華人医学家心理学科聯合会 鄧明昱
「精神病院の増改築は良いですが、これで精神病者の事件を防ぐとは馬鹿げています。精神病者が意図的に事件を起こせば、彼は重度の精神病ではなく、軽症か普通の人の精神障害です。精神病院の拡大では解決できません。」
日本の厚生労働省に当たる、中国の衛生部で副大臣を務める尹氏は、同時に全国の治安管理を担当する委員会のメンバーでもあります。つまり、国民の健康や衛生に携わるトップが、社会の治安維持の仕事に関わっているのです。
政府系の雑誌『中国新聞週刊』によると、中国では多くの精神病院は衛生部ではなく、日本の警察庁に当たる公安の管轄を受けています。中国の精神病院は、社会の「問題」を減らすのが目的で、治療やケアは二の次なのです。
ネットでは「陳情者の家を増やしている」との鋭い指摘がありました。精神病と言う名目で、より多くの陳情者などを病院に押し込めるというのです。
ラジオ・フリー・アジアは、今年のEUと中国の人権対話では精神病が焦点となると報道。というのも実は、天安門事件の再評価を求めた結果、精神病院に13年も押し込められた中国人の王さんは、EUに対し、この問題の解決を強く訴えかけていたのです。
ラジオ・フリー・アジアより
13年も精神病院に押し込められた 王万星
「今の中国は司法が独立せず、裁判官は上から干渉を受け、独立した判決を下しません。腐敗した強権国家では、多くの陳情者は中傷され、精神病院に入れられます。
中国の『精神衛生法』は、1985年に起草されて以来、ずっとたなざらしにされています。一番激しい論議を呼んでいるのは、「強制的に収容して治療する」点です。
精神病を利用して都合の良くない人物を迫害するのは、当局の常套手段。特に、法輪功学習者がその代表例です。
本部をアメリカに置く「法輪功迫害追跡調査国際組織」の2004年の調査報告書によると、北京・山東省・河南省、河北省の45の病院の内、38の病院が2004年以前の5年間で、法輪功学習者を収容したことがある、と回答しました。
このうち、25の病院が「彼ら法輪功学習者には、なんら精神病の症状はなかった」と公に認めました。彼らの信仰を変えることが目的だったのです。