【新唐人ニュース】11月27日、毒ミルク被害児家族が三鹿集団を相手に取り起こした訴訟の審理が北京順義区裁判所で行われた。審理の間、三鹿集団の代理人は石家荘中級裁判所の裁定書を提示し、三鹿集団がすでに破綻したため、被害児らは賠償金を獲得する機会がないことを再三強調した。
毒ミルク事件の原告側の彭剣弁護士はRFAの取材に、三鹿が突然破産宣告をしたのは全く予想外だったと述べた。
「メディアにしろ、被害者にしろ、何も知らされず。裁判が始まってから、突然聞かされ。騙されたという感じ。」
法律規定によると、企業が破産宣告後優先的に支払う義務があるのは、従業員の給料と社会保険、其の次が抵当債権で、最後に被害者に対する賠償などの普通債権である。彭弁護士は三鹿の破産宣告は原告にとって非常に不利だと洩らす。
「これは、一旦勝訴判決が出ると、三鹿集団の破産管財人からは一銭ももらえないということ。」
三鹿が破産宣告し、被害者に対する賠償はないと聞かされ、被害児の家族らは怒りを隠せない。江蘇省連雲港の被害児家族の相慶玉氏はRFAに憤慨をあらわにした。
「彼等が傷つけているのは、子供たち。結果的に子供たちの利益が、度外視され、無視されている。私は憤慨するしかない。本当に何もいえない!」
河南省政府関係のサイトには、「三鹿は破産ですべてを終わりにできるか?」と題した文章が掲載された。「三鹿事件があやふやに終わってしまったら、それは悪質な先例を開くことに等しい。悪徳業者が破産を利用して法律制裁から逃れるなら、それは集団犯罪への放任ではないか?」
11月24日、裁判所は三鹿に牛乳を提供した酪農家2名を死刑に処した。この結果に対し大陸のネットでは、「三鹿事件:なぜ二人の農民を死刑に?」、という文章が各掲示板を駆け巡り波紋を呼んでいる。
文章はこう指摘する、2008年1月8日、国務院は国家科学技術奨励大会を盛大に開き、三鹿集団の嬰児ミルクの配合研究に関するプロジェクトに国家科学技術進歩賞を与えたが、その受賞日がまさにミルクに毒を入れた日でもあるのだ。
1月8日、三鹿が受賞し、9月11日、毒ミルク事件が明るみになった。文章には鋭い指摘がある。「この受賞によって数十万の『結石児童』を生み出したならば、この賞を設けた当事者は罪を問われなくていいのか。「蛋白質再構築技術」を作り出した中国科学院の罪は?また三鹿グループの品質検査工程が1100に上ると大々的に宣伝、報道した中央政府のメディアは何の罪に問うべきか?毒を投入した22の工場の罪は?」
ネットユーザーらは、二人の酪農家が死に値する罪を犯したとしても、その順位は200位以降になるはずだと皮肉っている。