【新唐人2010年8月21日付ニュース】中国・甘粛省で起こった大規模土石流は、人災が重なった結果だといわれていますが、その後も中国の内陸部ではがけ崩れや土石流が相次いで発生しています。報道によると、今年前半、中国で起こった地質災害は去年の同じ時期と比べて、10倍になるそうです。
被災地の甘粛省・舟曲県のトップは、一昨年メディアに対し「我々は100億立方メートルの木材を国に提供した」と自画自賛しました。
12年前に国が主要な川沿いの伐採を禁じるまで、舟曲県は収入の95%を林業に頼っていました。
しかも10年間に、55の水力発電所の建設を許可。10キロごとに発電所がある川もあります。今では、水力発電所が政府の財政収入の柱になりました。
舟曲県では、大規模な森林伐採によって、75万トンの水と土が失われたそうです。
経済利益のために環境を犠牲にするのは、中国の地方政府の典型的なやり方です。
中国地質環境監測院の周平根博士は、近年各地で盛んな森林の伐採と開発は、一定の範囲で地質災害を誘発していると述べました。あるデータによると地質災害の内、5割は人災の疑いがあるそうです。
また中国政府の発表では、2010年前半に発生した地質災害は19552件。これは去年の同じ時期の10倍になります。
甘粛省の大規模土石流からわずか3日後、77キロ離れた隴南市でも土石流が発生。25名以上が亡くなり、市全体で1万名が避難したそうです。
最近数日、四川省や雲南省でも土石流が起こり、数百万人が被災しています。
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「南方週末」の報道によると、去年までに見つかった、地質災害が起こりうる危険な場所は20万ヶ所。特に危険なのは1万6000ヶ所で、700万人が危険に直面しています。
これは主に、雲南省や貴州省、四川省、甘粛省など険しい山が多い内陸部に集中しています。
周博士の指摘によると、舟曲県の無計画な森林伐採は50年近くに及びます。環境破壊の深刻さに気付き、木を植えようとした時には、もう手遅れだったそうです。この地方は山が険しく土地が痩せており、植林が難しいからです。
華南農業大学の章家恩教授は、自然に対する畏敬を取り戻さなければ、環境保護の研究や計画も空論に過ぎないと警告します。
目下、中国には舟曲県のように地質と生態環境が劣悪な地域はたくさんあります。2度とあのような悲劇を繰り返さないために、政府はどのような措置を取るのでしょうか。
新唐人記者がお送りしました。
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