【新唐人2013年5月9日付ニュース】中国南西部の雲南省を流れる怒江(ぬこう サルウィン川)の水力発電所建設プロジェクトをめぐって、議論が続いていました。専門家はダム建設は生態環境を破壊し、大量の移民を生み出すと危惧しています。反対意見が多い中、プロジェクトはやはり再開となりました。
中国当局が怒江の水力発電所建設プロジェクトを打ち出した2003年当時、多くの環境保護専門家や地質学者、生態学専門家の反対に遭い、プロジェクトは中止となりました。
しかし2013年1月23日、中国国務院は「エネルギー発展十二次五ヵ年計画」を発表し、2015年までに重点的に建設する50箇所以上の水力発電所を列挙しました。中には怒江流域のダム建設も含まれ、国内外環境保護家を驚かせています。
中国水利専門家 張峻峰さん
「このような開発は中国全体の生態系の破壊を招き、将来の中国全体の生態状況および、それによって引き起こされる、世界の生態状況も楽観視できません」
水利専門家の張峻峰さんは、短期的にはダム建設によって中国当局に経済利益をもたらし、エネルギー不足問題も緩和できるかもしれないが、長期的に見た場合、ダムの建設により大量の移民が発生し、地元の生態環境にも巨大なマイナス影響をもたらすと指摘します。
雲南省の地元市民も、政府の言うように、ダム建設によって市民が裕福なるとは考えていないようです。
ネットユーザーの書き込みを見て見ましょう。“ダムを作ったら地元に福が訪れるのか?私は雲南人だが、西部の大略奪でもうコリゴリだ。水利建設の後は高エネルギー消費、高汚染企業の進駐だ。GDPだけが上がって、他の全ては無視される!”
“官僚は利益にならないものには動かない。彼らが積極的に動くのは、利益があるからだ”
一般的にサルウィン川と呼ばれる怒江は、チベット高原を源流として、中国の雲南省とミャンマーを流れ、全長は2400km。中国流域はおよそ2018kmで、急流が多く、“中国のグランドキャニオン”とも呼ばれ、世界遺産にも登録されています。現在、中国で大型ダムが建設されていない河川は怒江とチベットのヤルツアンポ江のみです。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/05/07/atext893099.html (中国語)
(翻訳/坂本 ナレーター/村上 映像編集/蒋)