【新唐人2010年11月25日付ニュース】韓国とアメリカが合同軍事演習を行っていたさなか、北朝鮮は11月23日、韓国の大延坪島に向け、100発余りの砲弾を発射。韓国軍兵士2名が死亡、19名が負傷しました。これに対し、韓国軍は80発以上の砲弾で反撃。韓国やアメリカなどは北朝鮮の挑発的行為を非難し、ロシアや中国も自制を求めました。
韓国側によると、北朝鮮は23日の午後、大延坪島に向けて100発以上の砲弾を発射。そのうち数十発が島に命中し、火災が起きました。韓国軍はただちに、北朝鮮に反撃しました。
11月22日から30日まで、韓国と米軍は大規模な軍事演習を実施。北朝鮮は23日の午前、もし韓国軍が北朝鮮の領海に向けて射撃をしたら、北朝鮮は黙ってはいないと警告しました。
韓国側によると、訓練は韓国の海域で実施。北朝鮮の砲撃は、休戦協定に違反すると非難しました。
南北を隔てる海の境界線は、いまだに確定していないため、よく衝突が起きます。大延坪島は、黄海の境界線のそばにあります。この島の帰属も意見が分かれ、海軍の軍事衝突すら発生。現在島には1700名余りが住み、韓国軍が駐在しています。
目下、韓国軍はすでに最高警戒レベルに入りました。また、北朝鮮の砲撃について、韓国は国連と話し合っているそうです。
韓国政府は、北朝鮮は砲撃に対し、責任を負うべきだと非難。李明博大統領は事故後に緊急の安全会議を開き、北朝鮮に厳しい対応をし、状況の悪化を防ぎ、大規模な衝突を避けるよう求めました。
アメリカ・ホワイトハウスのギプス報道官は、北朝鮮の攻撃を強く非難し、やめるよう求めました。断固として韓国の安全と地域の平和を守るとも発言。イギリスとドイツも事件を非難しました。
ロシアと中国は情勢の悪化を望まないと発言。中国は南北に、朝鮮半島の平和と安定を呼びかけました。
菅総理大臣は、“不測の事態”に備えた準備を指示しました。
事件以降、為替、株式、先物取引などの市場が大きく揺れました。韓国の総合株価指数も大幅に下落しました。
韓国の国防研究員の責任者は、北朝鮮は金剛山観光や六者協議の再開を求めたのに、韓国が態度を変えなかったため、北朝鮮は大きな賭けに出たと分析しました。
国連によると、北朝鮮は今年、水害や干ばつで穀物の収穫量が去年よりも5分の1近く減少。90年代の大飢饉の再来を恐れる声も聞かれます。
高麗大学校の劉教授は、北朝鮮は金正恩の後継体制を固めるため、国内の団結を強めようと軍事手段で危機感を作り出したと指摘。
北朝鮮の狙いについてNHKは、アメリカを対話の席に戻し、休戦協定に代わる和平協定を結ばせることだと分析。
韓国の聯合ニュースは、韓国やアメリカの膠着状態を打破するために、北朝鮮は攻撃を仕掛けたと報道。北朝鮮の“ウラン濃縮施設の公開”に対し、韓国とアメリカは態度を変えなかったので、北朝鮮は挑発的な行為に走ったといいます。
アメリカのオバマ大統領は、11日、北朝鮮は六者協議に戻る前に、真剣な目的を示すべきで、形式的な提案には興味がないと発言。
北朝鮮の核を話し合う六者協議は、合わせて6回実施。去年4月、国連安保理が北朝鮮のミサイル実験を非難すると、北朝鮮は六者協議から脱退しました。
アメリカ・ロスアラモス国立研究所のヘッカー元所長は11月12日、北朝鮮の寧辺核施設を見学しました。1,000余りもの遠心分離機を目にしたそうです。
アメリカのゲーツ国防長官によると、北朝鮮にはもっと多くの核兵器を作る能力があり、北朝鮮はすでに数発の核弾頭を持っているだろうと述べました。
大統領は20日、北朝鮮問題の特別代表、ボズワース氏を韓国、日本、中国に派遣。ボズワース氏は、22日、核の拡大は、この20年で最大の挑発的行為だと述べました。
“中国事務”の伍凡編集長は、ラジオ局に対し
“中国事務”編集長 伍凡氏
「米国の関心は北朝鮮と核兵器とイランの核兵器の拡散にあります。この2つとも戦争の火元になります。処理に失敗すれば、核戦争が起きます。米国は中国に対し、北朝鮮を制御するよう求めます。これ以上核兵器を発展させないようにと」
韓国の新聞“東亜日報”は23日の社説で、“中国は朝鮮半島の平和と安定を訴えているものの、実際にはこの原則を堅持してはいない。北朝鮮の核武装が進めば、最終的に東北アジアは核の危機に陥る”と警告しました。
新唐人テレビがお伝えしました。
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