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妊娠期のケア(二)―落ち着いた心こそ一番の胎教

2010年04月12日

誰もが願う健やかなこの誕生。もちろん、妊婦の健康管理は極めて大切だ。では、妊娠期のケアで大切なこととは何か。今回は妊婦の食生活と胎教という2点からご紹介。

まず食生活だが、気を払うべき点は数多い。例えば、濃厚な味は避けたほうがよい。お腹に胎児がいるからといって栄養も摂り過ぎれば、巨大児の原因になる。また、アルコールも胎児の神経系統を侵し、喫煙も妊娠高血圧症を招くほか、胎児の発育にも影響する。化学薬品のほか、通常の食品も要注意である。例えば、サンザシや黒キクラゲ、ハトムギ等は摂り過ぎると自然流産を招く恐れがあるからだ。つまり、バランスの良いものを偏りなく食べ、良くない嗜好を除くこと。そして、妊娠気に禁忌といわれるものを避けるのが肝心だ。
 
そして、胎教。これも大切である。中国の古書『列女伝』によると、妊婦は「猥褻(わいせつ)な物を見ざる聞かざるべきで、『詩経』など優れた文学を読むように」とある。というのも、良い物によく触れる妊婦は思考が純粋になり、胎児のいる環境も純粋になる。これこそ胎児の発育にとってベストなのだ。すなわち、「激しい情緒の揺れを避け、落ち着いた心を保つ」。これこそ、一番の胎教なのかもしれない。
 
※『列女伝』:中国の婦女の伝記、前漢の劉向による撰。

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