【新唐人2014年5月3日】今年1月から3月まで、中国ではほぼ毎週のように水道水の異臭騒ぎが起きていました。日本やアメリカでは水道水をそのまま飲むことが出来ますが、中国の水道水はどうして問題が続出するのでしょうか?専門家の分析を聞いてみましょう。
4月23日、武漢市政府が発信した情報によると、漢江の武漢区域の河水から基準値を超えるアンモニア態窒素が検出され、同区域の浄水場2社が稼働停止となりました。このため、武漢市では260平方キロメートルの範囲で停水し、30万人以上の住民や食品加工メーカーなどに影響を及ぼしました。
4月22日は「アースデイ(地球の日)」でした。中国国土資源部の発表した年度報告によると、全国203か所の地級市行政区で地下水水質検査を行ったところ、6割近い検査ポイントの水質が「悪い」または「極めて悪い」状況にあり、基準値を超える重金属が検出されています。
新華社傘下の「瞭望東方週刊」最新号によると、今年1月から3月まで、中国国内で、メディアで報じられた水道水の異臭騒ぎは10件を超え、平均すると週に一度起きていました。
北京水質環境保護活動家 張峻峰さん
「中国の工業化が進む過程で、当初制定した経済発展政策は先見性に欠け、早期の急速な発展段階で、残された多くの環境への危害が今になって現れています。このため、長期的な汚染がもたらされ、我々が目にしているように、各地で様々な汚染事件が現れています」
アメリカ・ニューヨークのハドソン川は1960年代に深刻な工業汚染を受けました。その後、数十年の処理を経て、現在のハドソン川の汚染は大分改善されました。
アメリカの水道水は何年も前から飲めるレベルになっています。もしも住んでいる都市の水道会社が公企業ならば、更に信頼に値します。公企業の水質監視レポートはすべて公開されるため、人々は様々なルートから監視し、抑制することが出来るからです。
北京水質環境保護活動家 張峻峰さん
「西側諸国の環境汚染も日本の水俣病や英国のスモッグのような劣悪なものがありましたが、しかし タイミングよく、環境保護活動が始まり、経済活動を調整し、生産連鎖上で得られる利益で、当初破壊された環境を修復しました。このため今我々が目にする西側諸国の生態は非常に良好なのです」
4月16日、あるニュースが中国の人々を驚かせました。アメリカ・オレゴン州ポートランド市で、19歳の男が貯水施設に放尿したため、市の水資源局が「市民の健康を損なう」ことを理由に、飲用水1.4億リットルを廃棄しました。
在米生態学者の武業鋼さんはラジオ・フリー・アジア(RFA)に対し、中国では地表の汚水排出が禁止或いは制限された後、一部企業が隠れて地下に汚染物質を排出しているが、これは子孫を絶やす行為だと指摘しています。
北京水汚染専門家 王永晨さん
「一番の問題は罰則が軽過ぎることです。企業が汚染を排出しても、そのコストが非常に低いのです。民衆には発言権があります。例えば、英国で企業を設立する場合、土地を破壊し、生活に影響が出るならば、現地の人々は投票で反対します。中国の民衆にはこの様な権利はなく、全て指導者が決定します。また 法律も厳しく、企業が汚水を川に捨てれば、破産させられるのです」
北京の水汚染専門家・王永晨さんは、中国では汚染排出の処罰が軽すぎるだけでなく、官商結託の問題も存在すると指摘します。
北京水汚染専門家 王永晨さん
「先日金沙江へ行くと、石炭を洗った水を直接川に捨てていました。彼らに与えられた罰は改善されるまで、稼働停止というものでした。しかし誰が監督するのでしょうか。汚染排出を民衆が把握しているかどうか、環境保護部門と工場はどのような関係なのか。中国では懲罰の多くが不透明で、情報も公開されません。罰則の力が不十分なのです」
武業鋼さんは、アメリカと比べ、中国は人口が多く、経済活動のスケールも大きく、そのうえ法律も不健全で、人治社会であるため、これらの要素が中国共産党の水汚染管理の難度を高くしていると指摘しています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2014/04/28/atext1105998.html(中国語)
(翻訳/赤平 ナレーター/水田 映像編集/工)