【新唐人2014年8月15日】上海市検察院は11日の夜、上海光明食品集団の元会長、王宗南の逮捕を発表しました。立件に向けた調査からわずか13日という異例の早さです。しかも中央が上海に調査チームを派遣して1週間になります。習近平は本気で、江沢民の牙城を突き崩す気なのでしょうか。
当局は去年の末、59歳の王宗南会長が健康上の理由で、上海光明食品集団を退職したと発表しました。この食品集団は、ミルクキャンディーで有名ですが、上海市政府が管理しています。
光明食品は王宗南の会長時代、外国ブランドも買収しました。例えば、おととし、シリアルメーカーのWeetabix(ウィータビックス)の株を19億ドルで購入し、経営支配権を獲得しました。
「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、よく知られるように江沢民は1989年、鄧小平に党総書記に抜擢されるまで、上海市のトップだったので、上海は江沢民の牙城であると報道しています。
江沢民の後を継いで上海市のトップに就任したのが陳良宇です。しかし、陳良宇は2006年の腐敗調査で失脚し、禁固18年の刑を下されました。今回、逮捕が発表された王宗南は、90年代、当時は区長だった陳良宇の腹心でした。陳良宇が失脚した年、王宗南は光明食品に異動になります。
光明食品の前身は、上海益民食品一廠ですが、江沢民は1950年代、この益民一廠の副工場長を務め、退職後も、この集団と私的な付き合いがありました。
上海の有名弁護士、鄭恩寵氏によると、益民一廠は救いようのない赤字会社です。上海市・国有資産監督管理委員会や冠生団集団など、4つの組織に管理が委ねられましたが、結局駄目でした。
2003年、益民一廠でリストラ従業員による抗議事件が起こりました。かつて益民一廠の幹部だった江沢民は、立つ瀬がありません。そこで2006年、江沢民は陳良宇に光明食品集団を設立させ、上海の食品業界の黒字企業をすべて、益民一廠の傘下に収めました。
上海の弁護士 鄭恩寵氏
「江沢民の意向で益民一廠は有限公司となり、上海で黒字の食品企業を全部傘下に収めました。そして光明集団を設立したのです。『江沢民の工場は赤字がなく偉大』で、毎年数百億元の利潤がありました」
鄭弁護士は、江沢民が背後で「光明集団食品集団」の設立を操ったので、人選も江沢民の意向が働いたはずだと指摘します。そして陳良宇が推薦したのが腹心の王宗南でした。
上海市人民検察院は、今年7月28日、王宗南に対して立件に向けた調査を始め、それからわずか13日後に逮捕を発表しました。これほど進展が早い点について、鄭弁護士は、現在の上海市のトップ、韓正が保身のために、決断したのだろうと分析します。
とは言え、この韓正も江沢民が育てた配下です。かつて胡錦涛に投降して、官僚の地位を守りましたが、今回も同じようにいくとは限りません。
上海の弁護士 鄭恩寵氏
「江沢民が上海市のトップだった頃、韓正は共産主義青年団の上海市委員会副書記でした。天安門事件の後、江沢民は中央へ異動しましたが、天安門事件における共産主義青年団の処理に江沢民は満足していました。韓正は江沢民の寵児となったのです」
国務院の元秘書、俞梅蓀さんは、江沢民が現職の頃、「沈黙して大いに金を稼げ」と提唱しましたが、恐らく江沢民の一派も同じようにお金を稼いだはずだと推測します。
国務院の元秘書 俞梅蓀さん
「高官でも普通の官僚でも沈黙して、金を稼ぐべきではありません。それを言うこと自体無様で非常識です。しかも権勢を誇る時、沈黙して大金を稼げば、いずれ裁かれるはずです。これは政界のルール、普遍的価値観、官僚の道に反します」
中央から派遣された調査チームはすでに7月末に上海入りしています。調査は9月末まで続く予定です。徐才厚や周永康など、江沢民と関係の深い官僚はすでに習近平の「トラ狩り」で粛清されました。香港メディアによれば、中国軍制服組の元トップ、郭伯雄も調査を受けているそうです。しかし鄭弁護士は、腐敗官僚を捕まえるより、制度の抜本的な改革こそ重要だと述べました。周永康を100人捕まえるより、まずは習近平が自ら、財産を公表するのがいいとも提言しています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/08/14/a1130305.html(中国語)
(翻訳/河合 ナレーター/萩野 映像編集/李)