今回のテーマは鼻水。鼻水を汚い物として忌み嫌う現代人も多いだろうが、もちろんこれは人体にとって大切な物。例えば、汚染した空気や細菌・ウィルス・カビ菌に出遭った場合、これらを追い出そうとして鼻水が分泌される。このほかにも、辛い食べ物を食べても、花粉に触れても鼻水は出る。これらは人体にとって刺激物であるから、それらが体に入ってこないようにしているのだ。
このように鼻水には、刺激物から体を守ろうとするほか、もう一つ重要な役目がある。それは我々に体の異常を伝えてくれる点だ。つまり、一種のシグナルを送っているのである。
その代表例は風邪だ。しかも、風邪のタイプさえ分かってしまう。
ドロドロした鼻水:実の風邪
サラサラした鼻水:虚の風邪
黄色の鼻水:熱の風邪
白色の鼻水:寒の風邪
そう、この鼻水をあなどる事なかれ。汚いように見えても、我々の体を守るほかに、大切なシグナルさえ送ってくれているのだ。実は、体から出される物にはすべて意味があるのである。
このほか、「鼻は肺の状態を表す」という。つまり、鼻水は肺の状態をも示している。したがって、漢方薬で治療する時は、肺の寒熱実虚を改善する薬を処方するのである。