【新唐人2015年1月24日】1月15日、中共解放軍は、昨年汚職などの容疑で処分された将校16人のリストを公表しました。同日、中共官製メディアは習近平国家主席の言葉を引用した文章を発表し、今年の「トラ退治」の動向を示しました。軍内の江沢民派の粛清が狙いだと見られています。
15日、中共は解放軍サイトにおいて、2014年に汚職の容疑で解任された少将クラス以上の幹部の名前を公表しました。軍の権威部門は、昨年は16人が解任されたと発表しました。
すでに公表された中央軍事委員会元副主席・徐才厚や四川省軍区元政治委員・葉萬勇(よう まんゆう)などのほか、総後勤部の副部長・劉錚(りゅうそう)も、昨年11月、立件・捜査されています。また、退任後に消息不明になっていた蘭州軍区元政治委員・範長秘(はん ちょうひ)も先月立件・捜査されていることがわかりました。
香港メディアによると、劉錚は徐才厚とともに、長年解放軍総政治部に勤めており、「江沢民の軍内スポークスマン」と呼ばれていた徐才厚に仕えていました。
在米時事評論家 藍述さん
「軍内の汚職将校の公表は軍内の江沢民派に対し、牽制作用があり、習近平の軍隊掌握に有利です」
情報公開後、中国規律検査監察学院の元副院長・李永忠(り えいちゅう)氏はメディアに対し、軍隊の権力の集中、軍の企業経営、入隊、入党、幹部への抜擢などには賄賂が必要だが、これらが汚職をもたらす原因であると述べました。また、深刻な汚職と大量の不良債権は、軍内の反腐敗キャンペーンにさらなる困難をもたらしていると指摘しています。
ニューヨーク市立大学政治学部 夏明教授
「中共軍は国際上では軍事脅威を行い、国内では国防建設の重要性を強調しています。軍隊には大量の経費が与えられるので、腐敗もおのずと生じるのです」
昨年4月、解放軍総政治部の幹部数名が、ネット上に習近平と解放軍に宛て2通目の公開書簡を発表しました。
書簡では、蘭州軍区の元副政治委員・範長秘が1千万元で官職売買を行ったことを暴露しました。
書簡にはこのように書かれています。「範長秘は北京に来て谷俊山を食事に招待した。谷俊山は酒を1杯飲むごとに100万元出すことを承諾した。範は続けて38杯の酒を飲み、谷俊山は陸軍第47集団軍に4〜5千万元を一度に与えた。範長秘はその中から1千万元を取り、中央軍事委員会副主席の子息に贈った」
間もなく、範長秘は思惑通り蘭州軍区の政治部主任に昇任しました。軍の高官16人の解任を公表した同日、官製メディアは「反腐敗に決して上限はない」と言った習近平主席の言葉を引用し、今年の反腐敗態勢を表しました。
週刊誌「アジアウィーク」総監 黄金秋さん
「軍隊の腐敗は誰もが知っています。この種の反腐敗運動は短期的な効果はありますが、長期的な効果を生み出すには、やはりさらに多くの監督システムが必要です」
在米時事評論家、藍述(らんじゅつ)さんは、習近平主席のこの言葉には別の意味が含まれていると考えています。
在米時事評論家 藍述さん
「一般的な理解では、反腐敗運動の次のターゲットは周永康よりも大物であるため、習近平にとって軍隊の掌握はやらなくてはならないことであるということです」
香港の「フェニックス週刊」は先日、周永康と薄煕来が共謀し、政変を画策していたと報じました。ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)は、この報道は周永康の「政変画策」の罪は、巨額の汚職よりも重大であることを示唆していると分析しました。一方、中共の司法は周永康の政変の罪には触れない可能性があるとの見方もあります。
報道によると、2011年11月、当時中央軍事委員会主席であった胡錦濤の海外訪問期間中、薄煕来は大規模な軍事演習を行いました。成都軍区、チベット軍区の司令官や政治委員の多くが出席し、薄煕来への支持を表明しました。今回失脚した将校16人の中には、チベット軍区の副政治委員・衛晋(えいしん)、成都軍区の副司令官・楊金山(ようきんざん)も含まれています。
週刊誌「アジアウィーク」総監 黄金秋さん
「薄煕来のクーデターや政変に関わると、汚職の有無に関わらず処理されます。汚職の容疑があるとさらに好都合です。薄煕来と関わりがなくても、腐敗官僚はやはり多いのです」
香港経済日報は、軍サイトが積極的に16人もの高官の解任を発表するのは極めて異例なことで、さらなる大物の摘発が予想されると伝えました。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2015/01/17/a1169768.html(中国語)
(翻訳/赤平 ナレーター/村上 映像編集/李)