【新唐人2016年3月22日】
3月13日午後5時、新華社が「中国最高指導者である習近平」を「中国最後指導者である習近平」と書き誤った文章をインターネット上に掲載した。一時間後、新華社がお知らせを出し、「最後」を「最高」に書き直した。
事件発生後、ネット上で物議をかもした。「おめでとうございます」、「ちょっと油断したすきに、真実を言ってしまった」、「天の意思だ、さすがに天が一番大きい」、「中共の最後じゃないか、中国のではないでしょうね」、「劉伯温の予言が正しければ、習近平が確かに最後となるはず」などなどのからかう書き込みが相次いでいる。
中共政府の代弁者としての新華社は、このような書き違いが滅多にないにもかかわらず、なぜこの敏感な時期、特に中共両会の会期中にこのような重大なミスを犯したのか? 中南海の情報筋が、『看中国』新聞のインタビューに、「今回の事件は劉雲山がわざとやったことである」と断言した。今回の事件は、3月4日に新疆自治区の管轄下の『無界新聞ネット』が習近平の辞任を求める海外の文章を転載した事件と関係があり、目的は反習近平の声を高めることにある。この声は、曾慶紅、劉雲山、一部の太子党及び清算を恐れている江沢民派の主要人物を中心とする反習近平連盟から出て来たものである。今年の両会の会期中に、新疆自治区党書記である張春賢が記者からの習近平を支持するかどうかの質問に対して、「考えておきます」と答えた。これは、3月4日の事件と似たような口調である。しかも、張春賢は周永康の腹心の部下である。
また、当該情報筋は、中共の今年下半期から来年にかけて大きな事件が発生すると断言した。なぜなら、下半期に中共十九大の人事が決まり、習近平派と江沢民派との争いは食うか食われるかの闘争になるに違いない。中共がこのような形で解体する可能性も考えられる。江沢民は、20年以上にわたって、中共のあらゆる部門に自分の手先や腹心の部下を配置した。習近平が反腐敗を利用して数人のハイレベルの虎を失脚させたが、権力のコントロールにおいて省、部レベル以下はまあまあ安定しているものの、軍権を含め、副国級以上の権力集団を完全に攻略しておらず、特に、軍権はまだ完全把握していないため、これからの暗闘や戦いはますます激しくなると考えられる。
香港の『明報』の政治評論家である劉鋭紹氏は、新華社が中共政府の代弁者として、「文章が掲載や発表される前に数回の厳密な審査をうけるはずで、このようなとんでもないミスを犯すことは考えられない。事件の裏に他の意図があるかどうかは今わからないが、一旦事件の裏に“特別”な意図があると判断されたら、中共当局が容赦なく厳粛処理するだろう」とコメントした。
2年前に、習近平の腹心部下である黄坤明氏は、中央宣伝部の副部長に任命され、今年の2月末に中央紀律検察委員会が中央宣伝部に入り、宣伝部を調査し始めた。この一連の動きから、習近平が江沢民派の最後の砦である中央宣伝部への攻撃を始めたといえる。劉雲山が失脚の危機を感じ、掌中の僅かの権力を使い、反習近平の声を上げ、反習近平連盟の結集を呼びかける一環として当該事件を作り出したことは十分考えられる。もし、中南海の情報筋と劉鋭紹の分析が当たったら、この事件は中共の宣伝部門を牛耳っている劉雲山を失脚させる好材料となりうる。事件の波紋がどこまで広がるかは、これから注目されるところだ。
(文/張陽)