【新唐人2016年07月20日】
中国共産党寄りの専門家が最近２度にわたり、中国が将来国家主席制から大統領制に移行する可能性を公の場で論じています。評論家は、中国共産党内部の派閥争いにより、国は分裂し汚職が横行し、すでに体制崩壊の一歩手前にあると指摘しています。おそらく、体制寄りの学者が指令を受けて大統領制を論じているのだろうと思われます。
中国国家行政学院の汪玉凱（おう ぎょくかい）教授は香港メディアの取材を受けた際、現在起こっている危機を脱するには、政府が憲法と民主主義、そして法治の３点を重視した政治改革を行わなければならないと述べました。
中国にとって、大統領制も選択肢の一つだと汪教授は考えています。
元中国人民大学政治学科主任・冷杰甫氏：「中国は大統領制のほかに進む道はありません。７人の政治局常務委員の中には劉雲山や張高麗、張徳江ら習近平の言うことを聞かない者がおり、習近平は政権中枢を統率できていません。ほかの国ではみな大統領の話を聞きますがね。政治局常務委員会は現在、派閥間の権力争いがすさまじく分裂しており、このままでは崩壊するでしょう。」
数日前に中国のネットに掲載された＊「鉄帽子王のクーデターと九龍治水の混乱」と題する論文は、江沢民が確立した九人制の常務委員会を批判し、政府の常務委員会の廃止をほのめかすシグナルであると指摘しています。
論文は九人制常務委員会が特権階級に権力を蚕食させ、ルールを破らせ、一族や派閥の利益を増大させていると指摘しています。国家権力が各派閥の特権勢力の代表に独占され、政令を発令できないなどの政治の混乱を招き、全国規模で官僚が汚職に走り、社会が二極化され、環境資源が枯渇し、法の正義は失われ、矛盾に満ちた社会を形成していると述べています。
論文はさらに第１８回全国人民代表大会の後、常務委員会が９人制から７人制に変更されたものの、新政権は権力を骨抜きにされた状況に直面しているとも述べています。
冷杰甫・元中国人民大学政治学科主任は、これ以外にも習近平が大統領制へ移行したい理由があると指摘しています。
元中国人民大学政治学科主任・冷杰甫氏：「次に、中華民国と中華人民共和国とに国家が分裂した状態にあるのもその理由です。両政府は互いに相手が非合法であると主張しており、もし統一するには大統領制を取るしかありません。また、少数民族も独立を求め抗議を行っていることも別の理由です。そして最後に、経済的な理由があります。経済の健全な発展を阻害しているのが党国体制だからです。」
汪教授が大統領制を論じるのは実はこれが２回目です。今年３月末、汪教授はシンガポール紙『聯合早報』の取材に対し、中国が将来大統領制に移行する可能性を述べていました。
在米時事評論家の唐靖遠氏は、汪教授は指令を受けて発言していると考えます。
在米時事評論家・唐靖遠氏：「このようなセンシティブな話題に触れながら、お咎めなしどころか、再度公の場で述べているということは、政権上層部の誰かが汪教授の発言を通して、政治体制が大きく変化する可能性を示唆していると考えられます。もしもこれが実現すれば、次に中国共産党を捨て去る準備に取りかかるでしょう。」
唐氏は、もし中国が本当に平和裏に政治転換を実現できるなら、国家、民族、国民にとって最もよいことだと考えています。
また、現在北朝鮮の核ミサイル問題によってアメリカがＴＨＡＡＤミサイルを韓国に配備したり、南シナ海の主権争い問題をめぐって裁判所が中国に不利な判断を出すなど、中国は周りに包囲された状態であるとも指摘しています。
在米時事評論家・唐靖遠氏：「こうした国際環境の趨勢は、客観的には中国共産党体制にとって大きな圧力となっていると見ることができます。中国ではなく、中国共産党が包囲されているのです。歴史の大勢であり、中国の最高権力者が英断を迫られています。」
唐氏は、共産主義というイデオロギーが中国と北朝鮮を結びつけており、また台湾民衆も中国共産党に反感を持っていると分析しています。
在米時事評論家の唐靖遠氏：「台湾民衆が強く排斥しているのは中国ではなく中国共産党です。中国共産党という一党独裁の統治に対して恐怖を抱いているのです。国内外のさまざまな矛盾や問題を見ても、中国共産党には生き残る道は残されておらず、根本的に変わるしかないのです。」
これこそ、中国が何年改革を進めてきても解決できない原因であると指摘しています。
新唐人テレビがお伝えしました。
＊「鉄帽子王）（永遠に権力の座にある者を指す）のクーデターと九龍治水（各々の主張が異なるため結局政治を治められない
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/07/19/a1276781.html（中国語）
（翻訳/白白 ナレーター/佐藤 映像編集/李）
