【新唐人2016年10月14日】
中国政府系メディアが、「アメリカの大統領選挙は茶番であり、民主制度の破滅を意味する。共産党一党制度こそが中国に最もふさわしい政治制度である」と報じました。これについて、「まるで自由な娑婆は乱れきっていると塀の中から嗤う囚人」だと批判する声が、学者の中から上がっています。
米大統領選の勝者は誰か?『ニューヨークタイムズ』は、「勝者は『中国共産党一党独裁』であると中国政府系メディアは宣言した」と皮肉たっぷりに報じました。
中国国営の新華社など政府系メディア各社は今週、「アメリカの両党の候補者はどちらも嫌われ者で、相手のスキャンダルを暴き立てなければ選挙には勝てない。アメリカの選挙制度は『負け犬』と化した」などと報じました。新華社は、「アメリカの選挙制度は本物の民主主義ではないとアメリカ人は反省すべき」とまで指摘しています。
政治評論家・曹長青氏:「完璧な制度は存在しません。民主的な選挙では、よくない指導者を選んでしまう可能性もあります。ですが、選挙によって間違いを正すことができるし、独裁者による長期的な専制に陥らずに済みます。中国政府は欧米の民主主義を笑いますが、まるで娑婆を『自由すぎるから乱れるのだ』と塀の中から嗤う囚人のようです。」
2回目のテレビ討論会では、クリントン氏の私用メール使用問題とトランプ氏のプライベートのスキャンダルに関する論戦が大きな比重を占めました。これについては、アメリカのメディアも、選挙史上最も醜い討論会となったと指摘しています。中国共産党はこうした報道を拡大解釈し、米国民は自国の政治体制に失望しているとの宣伝に励んでいます。
中国問題研究家・張健氏:「アメリカは自国の悪い点を認める国です。自国の醜聞を曝け出し、改めようとする国です。それとは反対に、都合の悪いことを隠して己を正当化し、反対派を刑務所に閉じ込めるのが、独裁国家です。政府の統制が厳しい中国では、国民は政府への不信感や失望を口に出せず、すでに絶望しているのです。だから中国では毎年数十万件もの権利運動が発生します。また、祖国に背を向けて外国という舞台でチャイナドリームを実現しようとしています。これが独裁と民主の違いです。」
中国共産党機関紙『人民日報』も、「アメリカに他国の民主についてあれこれ言う権利はない」「一党制こそが中国の国情に最も適した政治制度である」などと主張しています。
これまで中国政府は、人民と他党派は、人民代表大会と政治協商会議を通じて、一党専制の政府に意見を述べることができると、宣伝してきました。しかし、人民代表と政治協商委員は政府の言いなりだと言われており、つい最近も遼寧省の人民代表の多くが選挙に当たり贈賄していたことが明らかになっています。
西洋型民主主義は行き詰まっていると中国政府は主張しますが、かつて中国共産党の弾圧に負けず、県人民代表を務めたことのある姚立法(よう りっぽう)氏は、民主制度は専制制度よりも希望があると考えています。
姚立法氏:「中国が真に民主的な選挙を法に基づいて行うことを、私たちは期待しています。憲政を実現することは、公正で正義ある社会を実現することです。」
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/10/13/a1291307.html(中国語)
(翻訳/白白 ナレーター/佐藤 映像編集/李)