【新唐人2011年12月12日付ニュース】12月7日、アメリカと中国の国防次官級の協議が北京で開催されました。台湾への武器売却と、アジア太平洋地区における米軍の強化が9月に発表されて以来、これが米中にとって初めての軍事接触です。これについて専門家は、米中間の緊張が緩和し、アジア太平洋地域での軍事衝突のリスクも弱まったと専門家は分析します。
協議には、アメリカ側からフロノイ国防次官が、中国側からは馬暁天副総参謀長が出席。相互理解を深めて、誤解による衝突を避けることが議題になりました。
ドイツメディアは、協議が予定通り行われたことから、両国とも協力関係を重視していると分析。かつて、米中防衛協議は、中国側によって何度も、一方的に取りやめになってきました。
イギリスのBBCによるとアメリカ側は、米軍のアジア太平洋地域への強化は、中国封じのためではないと再度強調。米中の衝突は避けられないという見方はまったくの誤りだと述べたそうです。
最近、中国はステルス戦闘機や空母など最新の武器を強化し、海軍は何度となく第一列島線を超え、南シナ海での紛争も絶えません。
これに対しアメリカは、台湾への武器売却を発表。また、外交政策の重点をアジアに移し、南シナ海の航行の自由を主張し、フィリピンやベトナム、韓国、日本などと合同演習も実施。米軍のオーストリアへの駐留も発表しました。米中間のにらみ合いは、激しさを増しています。
その前日、胡錦涛主席は、海軍高官に対し、海軍の近代化を進め、軍事闘争の準備をするよう求めました。
中国の指導者による、この強硬な発言に対し、アメリカ国防総省の報道官は、「中国は軍拡の権利を持つが、軍事問題を透明化してほしい」と述べました。
香港メディアは、全国政治協商会議の香港地区委員で、親共産党系の劉夢熊(りゅう むゆう)氏の話として、海軍力の不足こそ、中国が南シナ海問題で弱腰な理由だとの声が軍内部から出ていると報道。南シナ海及び東シナ海問題での胡錦涛主席の態度から、中国は弱腰で無力な状態から、硬軟織り交ぜる方向に舵取りをしていると劉委員は分析しました。
ニューヨーク市立大学シティカレッジの夏明教授は、南シナ海での軍事衝突の可能性は確かにあると指摘します。
NY市立大学シティカレッジ 夏明教授:「南シナ海が複雑なのは多くの国が絡んでいるためです。中国とある国、たとえばベトナムと衝突したら、フィリピンとの衝突にもつながります。だから南シナ海での衝突の可能性は非常に高いのです。しかし肝心なのはこれが米中の衝突につながるかどうかです」
アメリカのフロノイ国防次官は7日の協議で、来年は米中関係にとって「重大な意義のある」1年になるだろうと表明。これは暗に、来年中国で行われる予定の指導部交代を指していると見られます。
このような状況下で、米中は直接的な軍事衝突を避けるだろうと分析。
NY市立大学シティカレッジ 夏明教授:「中国は内政問題が実に多いです。米中はこの危機が軍事衝突に発展するのを望まないでしょう。よって小規模な衝突はあっても大規模な戦争には少なくとも今はならないでしょう」
別の専門家は、共産党は一党独裁のもと、戦争を利用して、国内問題から関心をそらせようとするかもしれないと指摘。しかしそれは、内部の権力構造の変化や様々な危機の悪化、さらには政権崩壊を招くと分析しました。
新唐人テレビがお伝えしました。
-【禁闻】美中军方降温紧张-亚太对抗避误判.html