【新唐人日本2012年1月15日付ニュース】中国の温家宝首相は1月3日、経済界に対する祝辞の中で、“今年第1四半期はかなり厳しくなる”と警告。中国経済に見られる数々の現象から、共産党政権の生存および執政の根拠となっている“経済成長の神話”はすでに、崩壊を迎えています。
去年10月、香港中文大学の郎咸平教授は瀋陽での講演で、中国経済はすでに破綻し、ただ帳簿上見えないだけだと発言。また、中国の購買担当者指数から見て、7月からすでに不況に陥っているものの、当局の政策によって真実が隠されていると指摘。
また、中国はGDPの7割をインフラ建設に頼っているものの、これらは経済利益を生むものではないと指摘。一方、中国経済の支柱である製造業が危機に陥り、江浙地区の企業の稼働率は3割から6割だと述べました。
産業の不振に伴い、製造業を襲う倒産や労働者のストの嵐。2008年以来、東莞、珠江デルタ、浙江、温州、長江デルタなどで倒産ラッシュが続いています。温州だけでも、2010年4月からの半年間、80人あまりの企業家が債務返済に困り果て、夜逃げまたは自殺。
アメリカニューヨーク市立大学の陳教授は、民間企業の経営難は、当局が国営企業だけ優遇し、民間企業に対し差別政策を実施した結果だと指摘します。
NY市立大学シティカレッジ 陳志飛教授
「経済危機(2008年)以降、(中共は)強力に国営企業を支援しています。ほとんどが赤字企業にも関らず、大金をこれらの業界につぎ込み、彼ら自身の私有の独占的な党の財産を守っています。一方、中小企業には抑圧や差別、財政援助の制限などの各種政策を適用しています」
2012年の年明け、中国各地ではストの嵐が巻き起こり、四川、広西、江蘇などでは、千人以上の大規模ストが一日に3回も発生。過去2年間で発生した大規模ストは、広東、北京、上海、江蘇、重慶、山東、甘粛、河南、湖北など、広範囲に及んでいます。
陳教授は、長年廉価労働力をウリに外資を誘致した共産党当局は、恥じるべき役割を演じたと非難します。
NY市立大学シティカレッジ 陳志飛教授
「中国政府と当局中共の制度が果たした役割はきわめて劣悪です。実際には国民を地獄に陥れ、資本と廉価労働力を独占する悪質ボスの役割を演じています」
一方、物価の高騰や、労働者の賃上げの要求はストの嵐へと変わり、外資の撤退ブームをも招きました。モルガン・スタンレーのデータによると、過去10年間、中国労働者の賃金は年間12%上昇。生産コストの高騰も加わり、多くの外資企業は撤退を迫られています。
製造業の倒産ラッシュ、労働者のストと外資企業の撤退。この三つの嵐のほか、中国経済は株式市場、不動産市場および貸付バブルの三つの爆弾を抱えているといわれています。
去年12月13日、上海証券取引所の総合指数は2248.59ポイントに達し、2001年の始値2245ポイントをも下回りました。これには個人投資家も“10年で上昇幅ゼロ”と、嘆くしかありません。
一方、住宅価格は10年で10倍に跳ね上がり、中産階級も手が出せないほどです。この奇形の不動産バブルも崩壊しつつあります。中国国家統計局のデータによると、2010年9月、主要都市70のうち、46の都市で住宅価格が下落し始めました。
株式市場、不動産市場、民間企業の経営難および倒産ラッシュ、いずれも銀行の貸付と関係するといわれています。また、地方政府の巨額の債務も貸付バブルの崩壊に拍車をかけています。メディアによると、2011年5月、北京の土地備蓄貸付だけでも2500億元に上り、破産の危機に直面。他の地方もほぼ同じ状況だそうです。
昨年末、当局は全国31の省や数百の直轄市の監査結果を発表。地方政府の債務16000億ドルが判明し、うち2割は不良債権だそうです。ヘッジ・ファンドの多くも中国から引き揚げ始めています。
迫り来る中国の経済危機。本来ならば、自国への影響を恐れる日米欧の三大経済体が助っ人になるはずですが、昨今の世界同時不況により、自国経済さえ危うい中、中国経済のハードランディングは、傍観するしかないと見られています。
三つの嵐と三つのバブルで自縄自縛の共産党当局。経済危機勃発の前夜に助っ人をすべて取り上げられたのは、逆らえない天の定めなのでしょうか。
新唐人テレビがお伝えしました。