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虎の話ー人の行いは天と連動する

2012年08月05日

 

【冒頭の詩】

混沌たる宇宙に

盤古(ばんこ)が天を開く

太陽と月が世を照らす

うるわしい風と太陽

善悪は言わずとも

天には目がある

因果応報は目の前に

天理は揺るがない

 

 

【あらすじ】

本日のテーマは「虎」。この「虎」、確かに威風堂々として、美しく迫力がある。だが、本物の「トラ」とは似ても似つかないのではないか?いや、漢字は楷書だけを見てはいけない。その歴史全体を見なければ。ということで、まずは甲骨文字を見てみよう。

 

甲骨文字の「トラ」は、様々なデザインがあるがどれも頭・体・足・シッポから成る。頭には、大きな口があり、鋭い二本の歯さえ描かれる。そして額には横じま。体には縞(しま)模様もある。さらに足にはカギ状の爪。トラ全体を描きつつ、トラの特徴をよくとらえている。この古人の鋭く、細やかな観察力には脱帽だ。

 

ところで古人はなぜ、これほどの観察力があったのだろうか?これは皆さん一人ひとり想像力を膨らませてほしい。もしかしたら、古人の「心」と関係があるのかもしれない。静かで穏やかな心を胸に抱いて、物事を見る。だからこそ、多くの発見ができたのかもしれない。騒がしい現代を生きる我々も、時に心を静めてこの世界を眺めてみたいものだ。

 

【漢字について】

1、甲骨(こうこつ)文字:

四千年近い歴史を持つ漢字の中で、最古のものとして残っているのが甲骨文字。殷の時代、国にとって重要なことがあると、亀の甲羅や牛の骨を焼いて占った。そのひび割れで出た占いの結果は、刻して記録された。この際使われたのが、甲骨文字だ。

 

2、金文(きんぶん)文字:

甲骨文字の後、つまり殷・周から秦・漢の時代まで使われた文字。青銅器に刻されたり、鋳込まれたりした。ここでの金は、青銅器を指す。当時は、官職に任命されたり、戦功を上げたりすると、それを青銅器に記録したという。

 

3、小篆(しょうてん)文字:

金文の後に誕生したのが篆書(てんしょ)。これは小篆と大篆に分かれる。秦の始皇帝は、まちまちだった文字を統一し、標準書体を定めた。これが小篆である。

 

4、楷書(かいしょ):

南北朝から隋唐の時代にかけて標準となった書体。漢の時代まで使われた隷書から発展したもの。

 

 

 

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