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天の話ー人の行いは天と連動する

2012年10月01日

【悠遊字在】天の話ー人の行いは天と連動する

 
 
【冒頭の詩】
混沌たる宇宙に
盤古(ばんこ)が天を開く
太陽と月が世を照らす
うるわしい風と太陽
善悪は言わずとも
天には目がある
因果応報は目の前に
天理は揺るがない
 
 
【あらすじ】
地震に台風、大雪そして温暖化。我々人類の住む地球は、絶えず自然の驚異にさらわれている。というよりも、昨今ますます多くの強大な災害に見舞われるようになった。これはなぜか?現代科学で解明しようとしても、まだはっきりとした答えは見つからない。では、ここで立場を変えて、天と人との関係から考えてみよう。
 
中国の言葉に、「天人合一」がある。つまり、「人の行いは天と連動する」。古人は、人が悪さをすればその罰として災害が起こる、逆に良い行いを重ねれば天は多くの恵みを与えてくれる、と考えたのであろう。実は、「天」の字からもその点がうかがえる。
 
現在の楷書では「天」から「人」の姿が見られない。だが、もともと「天」は、人が広々とした天を支える様を表していた。特に、甲骨文字や金文文字でそれが顕著だ。
 
これは中国でよく知られる盤古(ばんこ)の伝説をほうふつとさせる。詳しい内容は番組を見てのお楽しみだが、ここで言えるのは天と人との関係だ。つまり、天と人は決して切り離すことができない。それほどまでに、密接なものなのである。
 
こんな思いを胸に、あらためて「天」を眺めてみると、思わぬ発見があるだろう。これほどまでに災害が深刻にしかも多くなったのは、人間の行いと関係がある?では、人間がどんなことをしてきたのだろう。これからは、どうすれば良い?これを機会に、じっくり考えてみよう。
 
 
【漢字について】
1、甲骨(こうこつ)文字:
四千年近い歴史を持つ漢字の中で、最古のものとして残っているのが甲骨文字。殷の時代、国にとって重要なことがあると、亀の甲羅や牛の骨を焼いて占った。そのひび割れで出た占いの結果は、刻して記録された。この際使われたのが、甲骨文字だ。
 
2、金文(きんぶん)文字:
甲骨文字の後、つまり殷・周から秦・漢の時代まで使われた文字。青銅器に刻されたり、鋳込まれたりした。ここでの金は、青銅器を指す。当時は、官職に任命されたり、戦功を上げたりすると、それを青銅器に記録したという。
 
3、小篆(しょうてん)文字:
金文の後に誕生したのが篆書(てんしょ)。これは小篆と大篆に分かれる。秦の始皇帝は、まちまちだった文字を統一し、標準書体を定めた。これが小篆である。
 
4、楷書(かいしょ):
南北朝から隋唐の時代にかけて標準となった書体。漢の時代まで使われた隷書から発展したもの。
 
 

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