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山西省で汚染隠蔽 下流の河北省大断水

2013年01月10日

 【新唐人2013年1月11日付ニュース】中国山西省の化学工場から有毒物質のアニリンが流出し、河北省邯鄲(かんたん)市の主な水源である漳河(しょうが)の上流が汚染されました。下流の邯鄲市では大規模断水に見舞われ、パニックとなった市民が水の購入、買占めに走りました。事故が発生したのは昨年12月31日でしたが、地元政府が情報を公開したのは事故から5日後でした。

 
1月5日午後、邯鄲市政府が受けた報告によると、邯鄲の主要水源地の一つである漳河の上流で、山西省内を流れる漳河だくしょうがに有毒物質のアニリンが流れ込みました。邯鄲市政府は、汚染されたダムからの水の供給を緊急停止し、全ての水を別のダムの地下水源地からの供給に替えました。しかし、水圧が低く、市全体の70%の地域で断水となりました。事情を知らない多数の民衆がパニックになり、水の購入・備蓄に走り、スーパーのペットボトル入り飲料水も買占められました。
邯鄲市のスーパー「美食林」 鄧小林さん
「多くの市民が水の購入を始め、買い占めの状況が現れました。我々は昨晩も連夜で水を調達し、今朝8時過ぎ頃には状況は落ち着きました」
情報によると、2012年12月31日、山西省長治(ちょうじ)市にある天脊(てんせい)石炭化学工業集で輸送パイプの破裂が発生し、40トン近いアニリンが流出し、その内の8.7トンが濁漳河に流れ込みました。
このような重大事故は、本来なら2時間以内に報告しなければなりませんが、山西省環境保護庁が報告を受けたのは5日後でした。一方、山西省長治市新聞弁公室主任は、規定に基づいた場合、全く遅延報告ではないと主張。規定では汚染が長治市の境界を出なければ省に報告する必要はなく、地元で処理すれば良いと定められているそうです。
環境保護志願者民 水専門家 張峻峰
「5日も経ってから報告するというのは典型的な情報隠ぺいです。このような化学工場の事故による影響は非常に恐ろしいものです。特に上流地帯は水の流れとともに流れて来ます。春季の降雨量の増加に伴い、固体化されていた一部の物が雪の中や土壌の中に残っていたのが、降雨で河に流れ込む可能性があります」
有毒な化学物質のアニリンは、人体への危害が大きく、特に血液の疾病や癌を招く恐れがあります。河川に流れ込んだ場合は、川床(かわどこ)に浸透し、その後は徐々に放出され、浄化には長い期間が必要です。
 
新唐人テレビがお伝えしました。
 
(翻訳/松本 編集/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工)

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