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耳鳴り―腎の状態は耳に表れる

2010年07月21日

命に別状がないとはいえ、大きな悩みの種となる耳鳴り。そのなんとも言えぬ不快な音は、睡眠や仕事、学業など生活の様々な面に影を落とす。生活の質、いわゆるQOLを著しく下げてしまうのだ。

だが、西洋医学では根治は難しいとされる。そこで「症状を改善できればいい方で、長い目で見れば一生耳鳴りと付き合っていくしかない」と話す医者もいる。では、漢方ではどう見るのか。実は漢方では、耳に関する疾患の場合、耳だけではなく「腎」も診る。なぜなら「腎の状態は耳に表れる」と考えるからだ。
 
そこで腎の状態に合わせて、様々な治療法を施すのだが、軽症の場合は自分でも出来る指圧がお勧めだ。腎の経絡、つまり足の少陰腎経のツボを指圧する。まずは足の裏の中央にある「湧泉穴」。そして内くるぶしの脇にある「太谿穴(たいけいけつ)」、さらにその5寸(約16センチ)上にある「復溜穴(ふくりゅうけつ)」を強めに押す。ジンジンとした痛みを感じたら、軽くほぐせばよい。
 
とはいっても、不規則な生活を続けたままで指圧をしても意味がない。例えば、夜更かしは体の陰陽のバランスを崩してしまう。「天人合一」というように、まずは自然のサイクルにあった無理のない生活を取り戻すことから始めよう。

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