【新唐人2013年3月21日付ニュース】1982年3月13日、中国共産党当局は“計画生育”と呼ばれる一人っ子政策を基本国策に定め、30年後には人口政策を変えることも可能だと示しました。この政策の制定からすでに30年以上過ぎました。閉幕したばかりの全人代では「大部門制改革」が推し出され、衛生部と計画生育委員会が合併され、「国家衛生と計画生育委員会」になりました。これにより一人っ子政策が緩和されるのでは?外部のこの期待に対し、当局は“計画生育は基本国策であり、強化されることはあっても緩和することはない”と応えました。本日の“歴史と今日”では一人っ子政策―“計画生育”が打ち出された経緯に焦点を当てます。
一人っ子政策実施から31年、産声をあげることもないまま、4億人の胎児が命を断たれました。
この受賞ドキュメンタリーは胎児の母体の中での成長過程と人為的に命を断たれる無残な過程を描いています。映画は人々に生命への尊重および人工中絶行為の中止を呼びかけています。しかし、中国の一部母親にとって、これはさらに痛みが増すだけです。中国では他に選択肢がないからです。
すでに中国当局の基本国策になっている一人っ子政策ですが、歴史を遡ってみると、1949年から何度も改変を経ています。10年を一つの段階としてみることができます。
1950年代初期、中国当局の“堕胎”などの計画生育手段に対する態度は、“厳禁”でした。国共内戦終了後まもなく、中国は朝鮮戦争に参戦。武器装備の遅れを毛沢東は“人海作戦”で補ったのでした。
1950年と52年、当局は2回暫定法律を制定し、 “疾病がない限り、人工中絶手術を行ってはならない。勝手に避妊手術と中絶手術を行った者は、不法堕胎の罪で処罰する”と定めました。
戦争が終わり、1950年代半ばになると、当局は生育政策を多少緩め、“当事者が望むなら、人工中絶手術はしてもいい”としました。このことは人工中絶に反対する医学界で一度議論を巻き起こしたことすらあります。
50年代後期になると、当局の態度は再び変わり、出産を励ますことになります。
旧ソ連のフルシチョフ共産党書記の回顧録によると、1955年、毛沢東はフルシチョフが第三次世界大戦を発動し、アメリカを消滅するようそそのかしたそうです。毛沢東は、まず米軍を中国の内陸部に誘き入れてからソ連が中国に原子爆弾を発射し、米軍の主力部隊を殲滅することを提案し、中国も4億人の犠牲者を出すことになるが、数年後にはすぐ元に恢復できると豪語したそうです。
全国民を犠牲にすることもいとわない陰謀に加え、1958年4月、始まったばかりの大躍進運動の狂熱をさらに盛り上げるために、毛沢東は文章を書いて“人間が多いほど、力が強い”と公に提唱し、人口が多いと社会主義奇跡実現の優勢になると喧伝し、出産を激励しました。
以上から1950年代の中国共産党当局の生育政策を、“一転三転の政策”であったとまとめることができます。
しかし、60年代に入ると、政策がまた一変します。
60年代の中国は政治運動の陰影に覆われ、狂気に満ちた大躍進の夢は、全国民の悪夢となりました。3年間の地獄のような大飢饉が終わると、5年後、さらに血なまぐさい文化大革命の嵐が始まったのです。
国家全体の経済が深刻な混乱状態に陥り、食糧生産量は目に見えて減少。常識に基づくと、最良の解決方法は民力を養うことで、出産を励まし人口を増やすと同時に人民公社制度を改革し、農民から奪った土地を返し、農業生産の積極性を促進することでした。
しかし、大飢饉または文化大革命などによってもたらされた経済的災難を、共産党上層部は人口の増加が速すぎたせいだとしました。そして計画生育政策―一人っ子政策を苦境を改善する道具にしたのでした。
1970年代、各地で文化大革命の嵐が依然として吹き荒れている中、当局は計画生育のための雰囲気作りをはじめ、徐々に実行せざるを得ない「国家の意志」にまで持っていきました。
80年代からは強制的に実行に移し、1982年、計画生育は中国共産党当局の基本国策の一つとなりました。その後の1年間だけで、1400万人余りの胎児が、強制堕胎されました。
30年余りが過ぎた今、当局が発表したデータだけを見ても、強制人工中絶者の数は毎年少なくとも600万以上に上っています。
中国共産党の歴史の中でも、計画生育は血と涙にまみれた一章です。戦乱時期、政府は人口の増加を励ましました。一人でも増えれば前線で犠牲になってくれる人が一人増えるからです。戦後の平和時期になると、政府は一変して人口の減少を求めました。一人でも減れば、政治業績の足を引っ張る荷物が減るからです。
中国は世界で唯一強制的に一人っ子政策を実施する国です。生存権すらないこれらの小さな命がはたして、本当に中国の発展問題を解決する唯一の鍵だったのでしょうか。
31年間で消えた4億の命。血に染められた中国共産党政権の歴史にさらなる重い一筆を加えました。
新唐人テレビがお伝えしました
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/03/14/atext862645.html (中国語)
(翻訳/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工)