【新唐人2014年7月29日】中国の不動産王と呼ばれるSOHO中国の潘石屹(はんせききつ)会長夫妻が先日、ハーバード大学に奨学金として1500万ドルを寄付しました。学費の負担が困難な中国人学生にハーバードに入る機会を与えるためだそうです。これに対し、中国国内では賛否両論の声が上がっています。
この1500万ドルの奨学金は、ハーバード大学に入る条件を備えているが、家庭の年収が6万5千元以下の中国人学生を助けるためだそうです。
潘石屹会長夫妻はまた、世界の他の名門大学にも、合わせて1億ドルを寄付しています。
この事に対し、中国では賛否両論の声が上がっています。
ハーバード大学政治経済博士 楊建利さん
「『根本を忘れた慈善』ではないと思います。ハーバードには多くの貧困家庭の学生がいます。中国の大学の腐敗は周知の事実です」
中国の富豪がアメリカの名門大学に寄付したのは、今回が初めてではありません。2010年、「中国高瓴資本」の創設者、張磊氏が母校のエール大学に900万ドルを寄付し、議論を呼びました。寄付を批判する声に対し、「これらのお金を中国の大学に寄付したら、学術に使えるのはいくらだろう?」との疑問の声が上がりました。
ハーバード大学政治経済博士 楊建利さん
「中国の大学がだめなのは全ての大学が『官府』だからです。しかも共産党委員会が掌握しているため、学術の自由が大きく制限されます。官僚の腐敗が大学をも蝕んでいるのです。この腐敗は制度と関係があります」
アメリカ教育協会のデータによると、去年の在米留学生数82万人のうち、3割が中国からの学生で、各国の留学生数のトップを占めています。
留学コンサルタント Richard Yinさん
「原因が2つあります。1つは米国社会が中国人を引きつけています。2つ目は全体的に見て、目下世界最高の教育はやはり米国にあり、米国は自由で個性のある教育を提供しています」
SOHO中国の最高経営責任者(CEO)を務める張欣さんも、イギリスで留学していた時、奨学金を受けていました。教育は人生を変えられると信じる張さんは、今の中国人が渇望しているのは物質面のものではないと見ています。
SOHO中国のCEO張欣さん
「中国に住む中国人に『何を渇望するのか』と聞くと、食べ物でも家でもなく、皆 民主化を渇望しているのです」
中国のあるメディア関係者は、潘石屹夫妻の寄付は、四年制大学に入る学生のための奨学金であるため、いったんこの扉が開かれると、もっと多くの学生にチャンスが訪れ、影響も大きくなるだろうと評価しました。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/07/25/a1125420.html (中国語)
(翻訳/坂本 ナレーター/水田 映像編集/李)