【新唐人2011年8月2日付ニュース】中国国防省は7月27日、空母の保有を正式に認めました。ただし専門家によると、中国の改造した空母には重大な欠陥があるそうです。そこで、中国の空母には象徴的な意味合いしかないともいわれます。
今年6月、中国当局は香港メディアに対し、空母改造を行っていることを漏らしましたが、今回、これを正式に認めました。つまり、1998年、ウクライナから購入したワリャーグの改造版が中国にとって初の空母になります。中国国防省は、中国の国防政策は空母によって変わることはないと表明。
この中国の態度についてAFP通信は、不安定な南シナ海情勢を刺激しないために、中国は空母の持つ軍事抑止力を故意に弱めていると指摘。中国は長年、日本と尖閣諸島問題で対立しているほか、最近では南シナ海の帰属をめぐり、東南アジア各国とも摩擦が生まれています。
ただ専門家は、中国が空母を保有しても南シナ海の領有権争いへの影響は限定的だと指摘します。
時事評論家 文昭さん:「専門家の多くは中国の空母に対し、あまり懸念していません。真に有効な戦闘力になるにはまだ10年かかります。空母の働きはそれほどではないのです。まず中国の空母はすぐに使えません。多くの制約を受けます。中国以外の軍港が不足しているし、次に空母一隻では戦えません。たくさん造れば、国際社会から制約を受け使えません」
さらに、中国は旧ソ連の歩んだ道に続こうとしているとも指摘。ただし、旧ソ連が軍事大国となった原動力は、空母ではなく、原子力潜水艦。つまり、中国による空母製造は国際社会に見せ付けるための象徴的な意味合いが強く、軍事上の面子事業といえるといいます。
時事評論家 文昭さん:「原子力潜水艦を造る場合、空母一隻の費用で原潜三隻を造れます。しかも実用的です。しかし水面下の原潜と海上の空母では空母の方が巨大で、民族主義の象徴にふさわしく、国民の士気を高められます」
香港の新聞「東方日報」も、中国国防省の発言を受けて、「自称、世界第二の大国の中国だが、空母一隻の建造すらおじけづき、正々堂々とできない」と酷評しました。
実は、中国軍がウクライナの「ワリャーグ」を改造した当初から、疑問の声が上がっていました。というのも、「ワリャーグ」の設計そのものに重大な欠陥があるといわれているほか、1970年代の古い設計をコピーしたからです。
では、ワリャーグの重大な欠陥とは何なのでしょうか。
あるアメリカの軍事専門家は雑誌「WIRED(ワイアード)」への投稿で、ワリャーグの艦載戦闘機の力不足を指摘。中国のステルス戦闘機、「殲15」は、アメリカのF-18におよばないうえ、中国はまだ最先端の電子戦闘機、艦載輸送機、早期警戒機も保有していません。ほかに、ワリャーグは自己防衛能力が低い上、中国はずっと、最新エンジンを自力で開発できていません。
ワリャーグは製造からすでに30年余り。通信や電子システムは中国独自のものです。この点、日本などから列車を購入した高速鉄道と状況がそっくりです。そこでネットでは、これ以上国際社会の笑いものにならないよう、中国の空母は100%安全な状況で出航してほしいとの声が聞かれました。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2011/07/29/atext566317.html. (中国語)
-【禁闻】中国改装航母欲试水-外界反应不一.html