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退行性関節炎―つらい関節炎にも漢方

2010年05月03日

昨今の不景気に、どのお店も百貨店も客足の鈍さに頭を抱える。そんな中、いつでも人でにぎわうのが病院だ。整形外科ももちろん例外ではない。身体のあちこちが痛む、と患者は引きもきらないが、中でも膝の痛みに多くの人が悩む。今回の番組ではずばり、この膝の痛み「退行性関節炎」を取り上げる。 

膝が痛くなったら、まずは痛み止めを飲み、炎症を抑える注射を患部に打つ。こんな常識を持つ我々にとっては、漢方の処置方法はかなり新鮮だ。林先生の説明によれば、背中にある「膏肓穴(こうこうけつ)」というツボに針を刺し、吸い玉をして数滴血を出す。というのも膝は膀胱経に属するが、「膏肓穴(こうこうけつ)」は膀胱経の重要なツボだからだ。
 
痛みの激しい患部には触れもせず、背中に処置をする。この不思議な療法の背景にあるのが「滞れば痛む」という考え方である。つまり、気血がスムーズに流れなくなると痛みが起こる、痛みが起こるのは気血がスムーズに流れないためなのだ。よって、気血の詰まりをとるためのポイントとなるツボへ鍼灸や瀉血(しゃけつ)、吸い玉を行うのである。
 
これまで西洋医学に慣れ親しんだ我々からすると、林先生や胡乃文先生の紹介する症例には驚きを隠せない。いわゆる我々の常識を覆すものばかりだからだ。だがその常識にこだわりすぎず、新たな目で漢方を見ると、そこには実に広く奥深い世界があることに気付く。この番組をきっかけにして、その世界を今一度じっくりと見つめてみたいものだ

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