十男九痔。中国にはこんな言い方がある。もちろん、実際に9割の男性が痔に悩んでいるわけではない。ただ、これほどまでに痔の男性は多いのである。
では、なぜ男性はそれほど痔になりやすいのか。林先生によると、男性は仕事で接待の場面が多い。すると、美味しい食事にお酒、ひいては夜遊びも活発になる。つまり、「濃い味の食事やアルコール」「不規則な生活」が痔を招く素地となるのだ。
というのも、このような生活の結果、体から多くの「陽気(体を温め、活動するためのエネルギー)」が失われてしまう。人が活発に動くために必要な陽気が不足すれば、元気がなくなり、おのずと病気にもなりやすくなる。現代医学で言えば、免疫力が低下するのである。
よって、十分な陽気を保つことが大切になるわけだが、実は難しいことはない。昼は働き、夜は休む。このような自然の理にあった規則正しい生活をすればよいのだ。つまり「天人合一」が、何よりも重要なのである。
もちろん、せわしない現代社会で生活していれば、なかなか理想通りには行かない。だから不幸にも痔になってしまった方のために、林先生はこんな手軽な療法をご紹介する。一つは「孔最穴(こうさいけつ)」。これは前腕の内側、筋に沿った部分で、肘から指の幅3本分手首に向かって上がった所にある。このツボへの指圧だ。
もうひとつは、ナマコである。深刻な痔に悩んでいた患者がこれを食べて、ずいぶんと和らいだという。
どちらも副作用がなく、気軽に試せるものなので、試してみる価値はありそうだ。