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肺炎(二)―漢方で肺炎は治せるの?

2010年09月06日

悪化すれば死にいたる恐ろしい病気、肺炎。では、漢方で対処法はあるのだろうか。その前に、西洋医学の治療法を簡単にご紹介しよう。それは抗生物質を中心とした薬物療法であるが、この場合2つの問題が生じる。まず、細菌が病原菌ならばまだよいが、ウィルスならば打つ手がない点だ。もうひとつは治療に取り掛かるまでに時間がかかること。抗生物質を使う場合、ターゲットとなる菌を見つけなければならないが、なかなかすぐには分からず、これに手間取っている内に病状が悪化してしまうことがある。

そこで漢方であるが、漢方の診断の場合は細菌やウィルスといった観点では診ない。四診、――望診・聞診・問診・切診という方法を使って、患者の状態を判断する。つまり、医療機器を用いるのではなく、医者自身が患者を見て、聞いて(あるいは匂いを嗅いで)、尋ねて(問診)、脈をとることが基本だ。これはもちろん、医者に膨大な知識と正確な技量がなくてはならないので、信頼の置ける医者であることが絶対条件だ。ただし、西洋医学とは違って数々の検査を行うわけではないから、診断が早い。もちろん、診断が早くできれば治療もすぐに取り掛かれるので、症状が悪化する前に対処できることになる。
 
胡先生によれば、病気の初期で症状が軽くても、漢方の弁証方法を用いて診断すれば、病気の根元をつかむことができ、さらにそれを除ける。胡先生によると、SARSのように未知のウィルスであっても、定石どおりに診断して治療することができた医者がいたそうだ。

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