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【禁聞】専門家「ダムによる災害 責任は誰に」

2013年05月02日

 

【新唐人2013年5月2日付ニュース】中国地震局サイトによると、4月20に四川省雅安市芦山県で発生したマグニチュード7.0の地震による死者は4月24日午後2時半現在で196人、行方不明21人、負傷者11470人。199万2894人が被災し、14万戸以上が倒壊、36万戸以上が深刻な被害を受けました。また、ダム622基、水力発電所208基が被害を受けています。今回の大災害は、周永康が四川省委員会書記を務めていた期間中に大々的に行ったダム建設に関係していると、専門家は分析しています。報道をご覧ください。

 

今回の雅安地震の原因について、現在学者たちの見解は様々です。芦山県の周囲にダムや大型水力発電所が集中していることが地震を誘発した原因なのかどうかについて、四川省地鉱局区域地質調査隊のエンジニア・範暁(はん ぎょう)さんはメディアに対し、その可能性を完全に排除することは出来ないと述べています。

 

2008年の汶川地震以来、地質専門家の研究により、“紫坪鋪(しへいほ)ダム”と汶川地震に密接な関係があったことが明らかになりました。範暁さんは現地での調査の結果、今回起きた雅安地震は2008年の汶川地震の余震で、独立した地震ではないと考えているようです。

 

ドイツ在住の中国環境・国土問題専門家である王維洛(おう いらく)博士は、ラジオ・フリー・アジア(RFA)に対し、今回の地震は四川省のダム建設と密接に関係しているとコメントしています。

 

王博士は80年代の終わりごろ、三峡ダムおよび周辺地区のダム建設や環境問題に注目し始め、多くの専門書を出版しています。博士は、汶川地震は、まず“紫坪鋪ダム”がダム地震を引き起こし、そのあと次の大地震が誘発されたものと考えています。

 

紫坪鋪ダムは2001年3月に着工され、当時の四川省共産党委員会書記・周永康が開発した最初のダムです。政府筋によると、ダムの総工費は72億元と伝えられています。

 

王博士によると、当時中国では“西部大開発”運動が推進されており、その主なプロジェクトは水力発電の開発だったそうです。

 

また、中国政府系メディアによると、芦山地震の震源地から100kmの範囲内には、ダムと水力発電所が100か所以上存在しています。

 

王博士は、汶川地震にしても、2010年の甘粛省舟曲(ドゥクチュ)県の土石流災害にしても、いずれもこれらの水利プロジェクトが引き起こしたものであり、2010年青海省玉樹(ぎょくじゅ)県で発生した地震も周辺ダムと密接に関係していると指摘しています。

 

北京の環境保護学者 張峻峰さん

「ダムが地震を誘発した可能性は大きいです。現地の地質構造が現地の応力を不安定にしたからです。ダム建設により力のバランスが変わり、特にダムは貯水の過程の中で、水の重量が現地の応力バランスを壊してしまいました」

 

北京の環境保護学者・張峻峰(ちょうしゅんほう)さんはまた、ここは地震の活発地帯であり、ダム建設とダムの運転過程において、地震が発生すべきでない時点で発生するよう促してしまったと述べています。

 

実は、“紫坪鋪ダム”プロジェクトは着工前から多くの専門家の反対に遭っていました。例えば、中国水力発電研究院の元高級エンジニア・陳実(ちん じつ)さん。雑誌に文章を発表し、反対意見を述べました。また、四川省地震局の高級エンジニア・李有才(り ゆうさい)さんと四川地鉱局物探大隊の高級エンジニア・曹樹寧(そう じゅねい)さんも『紫坪鋪ダム中枢プロジェクト基本震度』という文章を発表しています。彼らはダム所在地区の地震地質、構造、深部の地球物理、歴史上の地震などを深く研究し、龍門山断裂帯上に造られた“紫坪鋪ダム”に対し、はっきりと反対意見を提出したのでした。

 

李有才さんと曹樹寧さんは、“紫坪鋪ダム”プロジェクトには脅威が潜んでおり、成都平原に生活する数千万人にとって“危険なプロジェクト”であると指摘しました。

 

しかし当時、周永康はさらに多くの水利建設を強く推し進めていました。

 

また、四川省に位置する大雪山脈は、インドプレートとアジアプレートがぶつかって形成されたものであり、両プレートが互いに運動し続ける過程で生まれた力が、大雪山脈上に集中して反映されているため、汶川、芦山などでは地震、土石流、地滑り等の地質災害が多発していると張峻峰さんは話しています。

 

北京の環境保護志願者 張峻峰さん

「多発頻発する地質状況の下で、人々はこのような場所、このような地区から遠く離れて生活すべきです。これらの地区で生活や活動を行うのであれば、地質災害の影響により必ず大きな損失を受けるでしょう」

 

張さんは、ダムはその土地の地質の変化規律を変えてしまい、人々の災害予防能力を大幅に下げてしまうと考えます。

 

王維洛さんは、雅安地震は、経済開発をする際、これらの問題に注意しなければ、この種の災害は止むことがなく、ますます深刻になるということを、再び我々に警告していると指摘しています。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/04/26/atext887365.html(中国語)

(翻訳/赤平 編集/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工)

 

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