【新唐人2013年11月28日付ニュース】中国では最近爆発事故が相次いでいますが、多くが謎に包まれたままです。22日に山東省青島市で発生した石油パイプラインの爆発事故もその一つです。事故の原因および事故前後に多くの疑問点が存在するだけでなく、メディアもころころ態度を変えています。また、習近平国家主席の現場視察といった異例な行動も、世論の憶測を呼んでいます。権威確立のためなのか、それとも周永康の「石油閥」をつぶすためなのか。報道をご覧下さい。
中国政府系メデイアは、25日午後4時、中国石油化工集団公司の石油パイプ爆発事故によって55人が死亡し、9人が行方不明、145人が負傷したと伝えています。青島市黄島区政府の公式ミニブログ(微博)によると、警察当局は25日夜、中国石油化工集団の関係者7人と地元の経済開発区関係者2人を拘束したと発表。しかし、9人の名前と身分には言及していません。
中国共産党の慣例を破り、今回習近平主席自ら「青島大学付属病院黄島分院」を訪れ、負傷者を慰問。このこと外界の注目を集めています。
時事評論家 林子旭さん
「中国は事故多発国家で、死者数が数十〜百人の災難が毎年多く発生しています。しかし中共指導者が被災地を訪れることはほとんどありません。四川のあの大地震でも温家宝首相が行っただけでした。温州高速鉄道事故では、張徳江副首相を派遣しただけでした。国家主席が現場に行って、負傷者を慰問することは非常に珍しいことです」
政府系メディアは、習主席は24日、青島に視察に向かった際、今回の事故に対し「調査を急ぎ、法に基づいて関係者の責任を追究するよう」強調したと伝えています。翌25日、事故調査チームのリーダを務める国家安全監督局の楊棟梁局長は、事故を「深刻な責任事故」と断定しました。26日、「北京青年報」も「中国石油化工と地元政府には大きな責任があり」、「必ず公開透明な方法で事故を処理し、関連企業と地元政府の指導責任を厳しく追及する」との、厳しい論調の社説を掲載しています。
習主席の異例な被災地視察、政府系メディアおよび官僚の厳しい態度は、世論の様々な憶測を呼んでいます。香港「明報」は、李克強首相の代わりに習近平主席が視察したのは、これを機に権威を確立し、この重大事故を「石油閥」に打撃を与えるための新たな切り口にする可能性があると見ています。
アメリカのコラムニスト顧猷(こゆう)さんは24日、ミニブログ(微博)にこのようにコメントしています。「中国石油化工が青島で大爆発を起こしたのは、石油政治大爆発の前奏である。数十の命が『虎』の供え物になった」。この書き込みはその後すぐ削除されましたが、「石油政治ストームが間もなく到来する」との見方はネット上で迅速に広がっています。
このほか、三中全会前後、中国各地では爆発事件が相次ぎ、天安門広場での車突入事件、山西省共産党委員会ビル前での爆発事件を含めて、多くの疑惑が未だに解明されていません。
時事評論家の林さんは、青島の爆発事件を含む一連の爆発事件は、いずれも敏感な時期、または敏感な場所で発生しており、その内幕は一般人の想像をはるかに超えるものかもしれないと述べます。
時事評論家 林子旭さん
「習近平が迅速に事故現場に行った事は、表面上で見るほど簡単なことではないのです。『三中全会』で国有企業の改革案が出され、つまり石油や電信部門などの江沢民派が握る独占企業にメスが入り、利益が再分配されるわけです。江沢民、周永康はこれらを恐れ、憎んでいるので、権力闘争は必然的に激化します。多くの突発事故の背後が、どれほど深いかは中共内部の人のみが知ることでしょう」
中国国内メディアによると、青島の爆発事件後も中国各地では事故が続いています。例えば、24日、河北省邢台市で工事中にガス管が破損。25日、浙江省温州市でガス漏れ事故が2件発生。うち1件はガス管が爆発し、3人が負傷しました。「中国はいったいどうなってしまったのか」と、ネットユーザーらが嘆いています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2013/11/25/atext1011372.html (中国語)
(翻訳/坂本 ナレーター/萩野 映像編集/工)