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「一国二豚」?中国大陸の食品問題

2011年04月20日
「一国二豚」?中国大陸の食品問題

 【新唐人日本2011年4月21日付ニュース】食の安全が問われている中国大陸。「痩肉精」と聞くだけで顔色が変わるこの頃だが、香港やマカオではなんと「一国二豚」の奇跡を創り上げた。

 
香港の「東分日報」によると、大陸の庶民が「痩肉精」で育った豚肉を口にしている頃、香港やマカオでは「一国二豚」の奇跡を創り上げ、痩肉精の恐怖から逃れることができたという。つまり、香港やマカオに輸送される豚肉は、痩肉精に汚染されていない「きれいな肉」というわけだ。優良品は外国に輸出し、質の劣る二流、三流製品は内需にまわすわけだ。中国当局が打ち出した「一国二制度」が食品問題での具体的な現われが、まさに「一国二豚」だという。
 
■「一国二豚」でわかる大陸の食品問題の根源
 
大陸メディアの報道によると、昨年末、香港向け食品の検査合格率は99.97%だったという。情報によると、香港やマカオに供給される豚は、外見が良いだけでなく、豊満な臀部に高赤身率、体重は95~105kg以下などと、厳しい出荷基準があるという。
 
「東分日報」によると、香港とマカオではかつて痩肉精で育った豚の肺で作ったスープを飲み、中毒症状を起した事件があった。この事件発生後、香港では一度大陸産豚肉を拒否したことがあり、それによって大陸に食品安全システムに変革をもたらすきっかけとなった。
 
報道はまた、中国の食品安全基準には内外の区別があり、まさにこれが問題食品の根源であると指摘した。例えば、スウェーデンの研究機関の発表によると、一部のブランド乳幼児用食品から砒素や鉛などが検出されたという。しかし、中国疾病予防制御センターは、これらのブランド製品に対して行った砒素や鉛の検査結果は、中国の基準を超えていないと反論した。
 
また牛乳を例に挙げると、中国が定めた基準は、生菌総数が200万/ml以下。しかし、この基準は国際上では認められていない。また、国際基準の中には、乳牛に対する体細胞の検査項目があり、それをもって乳牛の健康状態を判断する。しかし、中国にはこの基準は設けられていないという。
 
報道は最後にこう指摘した。中国が食品の安全性を向上するには、先ず安全基準を高く設定する必要がある。しかし、私腹を肥やすことしか考えない中国の役人たちが、庶民の死活問題など、頭にあるのだろうか。
 
■外国メディアが見る中国の食品安全問題
 
多くのデータが示すように、中国の輸出食品の合格率は国内向け食品より高いことが多い。つまり、はっきり区別されており、国内向け食品となると安全基準がはるかに低いことがわかる。
 
BBC中国語サイトによると、中国には基準に関する管理があまいのに、利益をめぐる紛糾だけが多いと指摘する。
 
中国では、一つの基準を制定するには大量のデータ収集と論証が求められ、費用が高いという。
 
報道はまたこう述べた。「EUは食品安全に対し最も厳しい地域であるため、中国産の乳製品のEUや米国進出は厳しい。」このことから、EUは国民の健康を首位に考えているが、中国は利益第一主義であることが見て取れる。
(中国語)

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